研究課題/領域番号 |
04208108
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
百々 幸雄 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50000146)
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研究分担者 |
斎藤 成也 国立遺伝研, 進化遺伝部門, 助教授 (30192587)
原田 勝二 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (60086618)
十字 猛夫 東京大学, 医学部, 教授 (20009997)
尾本 恵市 東京大学, 理学部, 教授 (10011503)
馬場 悠男 国立科学博物館, 人類研究部, 室長 (90049221)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1992
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キーワード | モンゴロイド / 形質人類学 / 人類遺伝学 / 人類化石 / 遺伝子頻度 / HLA / ALDH / DNA |
研究概要 |
1.頭蓋の形態小変異の出現頻度は、縄文人と渡来系の弥生人の間に大きなギャップがあるが、弥生時代以降現代までの約2000年間にはほとんど変化がみられなかった。この結果は、現代日本人の成立に関して、渡来説を強く支持するものであった。 2.ジャワおよび北京のホモ・エレクトスに、顔面平坦度などのモンゴロイド的特徴が認められることが明らかになった。この結果は、モンゴロイドのアジア起源説を支持する。 3.血液の遺伝標識をもとに、中国の少数民族9集団と日本列島の諸集団の類縁関係を調査した。日本人集団は北の群に属し、特に和人集団は朝鮮族と最も近縁であった。アイヌおよび沖縄の集団と特別に近い関係を示す集団は認められなかった。 4.HLAハプロタイプの分布から、アジア側とアメリカ側のモンゴロイドの遺伝的なつながりが明らかになった。このことは、アメリカ大陸先住民のアジア起源説を強く支持する。また、日本列島内でのHLAハプロタイプの分布状態からみて、大陸から日本列島への移住が、過去に複数回あったことがほぼ確実となった。 5.ALDH2mutantの頻度分布をみると、この突然変異が中国のモンゴロイドに生じ、時代とともに中立遺伝子として蓄積され、その後集団の拡散にともなって、各地のモンゴロイド集団に波及していった様子がよく分かる。 6.モンゴロイド集団における遺伝子頻度のデータベースを完成させた。12遺伝子座を用いて30集団の遺伝的近縁関係を求めたところ、北米、南米アメリンドはもとより、ミクロネシアやポリネシアの太平洋集団、さらにはオーストラリア先住民も、東アジアから拡散していったことが明白になった。
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