研究概要 |
上松国有林のヒノキ天然林減少と人工林の造成への過程。平成2,3年度の研究は天然林、木曽ヒノキの消減過程であった。その技術的な基礎として、森林古地図をGIS処理により過去の森林の状況を再生することができるようになった。本無度の研究は森林が天然林から人工林へ変化する状況を、時間的に、空間的に地図で表現することである。日本の近代化は木材資源の需要と高め山村での林産業、林業を成立させた。天然林の伐採に続いてスギやヒノキの人工林を造成させ、今日では日本の全森林の40%が人工林となった。この森林の賃適変化と、利用内容の変化を地図により表現することが研究の目的である。対象地は長野営林局が管理する木曽国有林であり、1900年から今日までの過去約100年にわたる過程を調べた。次の方法により行った。(1)木曽国有林の地図をGISプログラムによりポリゴンとして入力する。これはGISkitを呼ばれるソフトを用いた。(2)森林調査簿を長野営林局で借用して、その記録により、天然林の伐採記録とその後の人工植栽記録と地図データにかさねた。その結果、データをGISによる検索により1900年から10年ごとの間隔で人工林が造成される過程を地図として作図することが出来た。また、各10年毎での人工林への変化図を作成した。これらの地図から、木曽国有林の歴史的な施業の変化を解析した。戦前の御料林での資源保護政策,1960年の高度経済成長期の拡大造林政策および、1980年以降の自然保護政策に基づく伐採量,伐採場所,伐採方法を明らかにすることが出来た。これらの結果はアトラスとして出版された。
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