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1993 年度 実績報告書

先端科学技術が経済成長・経済発展に与える影響の分析

研究課題

研究課題/領域番号 04210109
研究機関東京大学

研究代表者

廣松 毅  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80012491)

研究分担者 本山 澄夫  東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70013711)
大平 純彦  静岡県立大学, 経営情報学部, 助教授 (20194285)
庄田 安豊  大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (40245353)
和合 肇  富山大学, 経済学部, 教授 (00091934)
キーワード技術進歩率 / 新古典派経済成長モデル / 研究開発投資 / 内生的経済成長モデル / 技術伝播 / 産業政策 / 有効保護率 / 保護貿易措置
研究概要

「先端科学技術が経済発展・成長に与える影響の分析」をテーマとする本プロジェクトの基本的な目的は、長期的な観点から、国際比較も含めて先端科学技術と経済成長の関係を調べることにある。これまで成長会計のモデル等の理論モデルに基づき長期的な時系列の説明を試みるとともに、鉄鋼業、綿糸工業に関するケース・スタディを行ってきた。最終年度にあたる本年度は、これまでの研究を踏まえて二つの問題に取り組んだ。
第一は、長期的な経済成長に関する実証モデルの構築である。これまでの新古典派経済成長モデルでは技術は外生的な要因として取り扱われ、技術進歩率を残差として計測するのが主流であった。近年、研究開発投資と、それに伴う技術革新という要因を明示的にモデルに組み込んだ「内生的経済成長モデル」に関する研究が盛んに行われるようになったが、これまでのところ実証的な分析結果は多くはないのが実情である。今年度はこれまで収集してきたデータベースとケース・スタディの結果を踏まえて、日本経済に関する実証モデルの構築に取り組み、研究開発投資が経済成長に大きく貢献していることを明らかにした。
第二は、技術伝播の問題である。一国の技術の水準がどのように決まるかについては、技術の伝播をぬきにして考えることはできない。この問題に産業の保護・育成という、いわばコインの裏側からアプローチを試み、産業別の有効保護率の計測を試みた。これは産業の保護の程度を、名目的な関税率ではなく、関税に伴うコスト高という要因をも考慮に入れて評価しようとするものである。その結果、近年、先端産業分野では自由化が進んだものの、繊維、金属等一部の分野で依然として保護貿易的措置が残り、これが機械分野にむしろ被害を与えていることが明らかになった。
最後に、3年間の研究成果を最終報告にとりまとめた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 廣松毅: "実践的な数量経済分析入門1-12" 経済セミナー. 93/4〜94/3. (1993)

  • [文献書誌] 廣松毅: "自動車産業は国際的OEM提携の時代へ" 週刊エコノミスト. 72-8. 32-37 (1994)

  • [文献書誌] 和合肇: "A Bayesian Analysis of Unit Root and Cointeglation" Working Paper,University of Toyama. No147. (1993)

  • [文献書誌] 和合肇: "Productivity Change of the Prewar Japanese Cotton Industry" Working Paper,University of Toyama. No148. (1994)

  • [文献書誌] 庄田安豊: "東京ラウンド以後の有効保護率" 大妻女子大学社会情報学部紀要. 2. (1994)

  • [文献書誌] 大平純彦: "地域産業連関構造の変化の分析" 経営と情報(静岡県立大学). (1994)

  • [文献書誌] 廣松毅.浪花貞夫: "経済時系列分析の基礎と実際" 多賀出版, 267 (1993)

  • [文献書誌] 稲田,関口,庄田安豊: "Mechanism of Economic Development" Oxford University Press, (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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