研究概要 |
都市内および都市間の道路交通,高層ビル内のエレベータによる交通,都市における公共施設の配置,等の諸問題について,数理工学,都市工学,オペレーションズ・リサーチ等の立場から研究を行い,過去3年間に研究してきた諸モデルの再検討,新しいモデルの開発,これらに関連するデータの収集と解析を行なった.そのうち,おもなものを挙げる. 1.大規模超高層ビルにおける内々交通とエレベータ通路:大都市への人口や諸機能の集中に対する対策として,超高層ビルを建設して,これに一つの都市の機能を持たせようとする提案があるが,このようなビルの規模と有効なスペースとの関係を評価するモデルを提案した. 2.交通渋滞のない都市のモデル:都市の規模に応じて,都市内の交通のために確保すべき道路面積を算出するための数式を導出し,適切な都市の規模を求める一方法を提案した. 3.コンパクトな都市に関する考察:高層ビルを高密度に建てたコンパクトな都市におけるビル間の移動時間を算定するモデルを提案し,この観点に関するかぎりは,中・低層ビル群よりなる都市の方がよいことを示している. 4.最短路問題の観点から見た道路の重要度評価に関する実証的研究:過去に,東京,甲府,岐阜,等の都市で行なったデータ解析の結果得られた知見の普遍性を確かめるために,建設省が全国的な規模で行なった膨大な調査結果を解析したものである.解析結果の意味づけについては,さらに検討を進める必要がある.
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