研究課題
資源環境保全的な新しい技術文明においては、かなりの割合の人々が2つの都市(たとえば東京と地方都市)、あるいは都市と田園、のように複数の場所に“時分割的"に生活することが常態となることが予想される。このような新しい文明における新しい生活パターンを可能ならしめるには、地域社会システム、とくにそこにおける文化的生活基盤をどのような観点でいかに整備していくかがポイントである。そこで本研究では、東北・北海道の地域を具体的なイメージの対象としながら、産業配置、地域間協力、公共意志決定、地域医療、地域情報化、地域アイデンティティー、企業文化等について検討するのが目的である。本年度は、対象となる問題ごとにそれぞれのメンバーが得意な手法を用いて研究を行った。個別問題の内容と分担者はつぎのとおりである。・産業配置、地域間協力の問題は柴田、高橋(幸)、高橋(伸)が担当した。本年度はとくに研究開発型の産業をターゲットにし、東北インテリジェント・コスモス構想の研究開発会社の調査を行った。・公共意思決定の問題は武藤、大西が担当した。ここではゲーム理論的な分析を行うため、基礎的な研究を進めた。・地域医療の問題は大内が担当した。ここでは医療機関の配置問題や医療情報提供問題をファジー・クラスター分析などを用いて検討した。北海道においては、地方自治体が設立運営している地域中核病院が高齢化などの社会的問題のため老人病院化しており、おおいに問題であることが判明した。・地域情報化の問題は高橋(幸)が主として担当した。ここでは、全国紙と地方紙の記事および広告の情報発信源を調査した。23年前と比較して、政治・経済などの東京発の記事が増えているものの、依然として地方紙は地域の情報を伝える姿勢を保っていることがわかった。
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