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1992 年度 実績報告書

紙の生態学的適正価格に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04210121
研究機関山口大学

研究代表者

浮田 正夫  山口大学, 工学部, 教授 (60035061)

研究分担者 城田 久岳  宇部短期大学, 環境衛生学科, 助教授 (70154383)
吉津 直樹  下関市立大学, 経済学部, 教授 (10115652)
キーワード紙 / 紙ごみ / 森林資源 / 価格 / 処理費用 / 生態学
研究概要

現在巷には紙ごみがあふれ、市民のリサイクルに対する機運は高まっているが、再生紙の需要が伸びず、市民運動に水をさしている。一方で、わが国は世界の木食い虫としての評判は相変わらず健在で、紙は現代物質文明の典型的な姿を示している。
本研究では、環境問題の根本的解決を目指して「生態系に悪影響を与えないように、原料を調達し、生産し、消費し、廃棄する経済システム」下での紙の適正価格を試算した。まず原木は、国内林業から原木を自給することを生態学的であるとして、林業の持続できる原木価格を考え、人口扶養力の経年変化等を参考にして、現行の5倍とした。
生産段階については、産業連関表を利用して、紙1単位生産するのに要する、波及効果を含めたエネルギー、水質負荷、大気負荷、産業廃棄物排出量の各原単位(紙1kgあたり水質汚濁41g、大気汚染39g、産業廃棄物585g、エネルギー消費9.9×10^6kcal)をまず求め、処理費用関数を用いて、自浄能力を考慮したほぼバックグランドに近いレベルまで処理するための追加費用を算出する。エネルギー消費に関しては、炭素税は2万円/トンCを用い、紙ごみの処理費用、産業廃棄物の処理費は現行の2倍とした。
以上より、原木価格は現行15円/kg紙が75円/kg紙に、同様に公害防止費用は8から20、エネルギー価格は20から40に、産業廃棄物処理費用は3から12に、紙ごみ処理費用は0から68円となり、結局現行の価格150円/kgが319円/kg程度になること試算された。
現行経済システムを生態学的経済システムへの移行は簡単ではないが、本件級の成果を生かして、人類の持続的発展のため、価値観を変えていくための環境教育が重要であると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 浮田 正夫,城田 久岳ほか: "低密度地域の生活排水処理方式の選択に関する考察" 環境システム研究. 20. 9-17 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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