研究課題/領域番号 |
04210130
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
野々山 久也 甲南大学, 文学部, 教授 (30067863)
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研究分担者 |
安達 正嗣 関西女学院短期大学, 講師 (20231938)
清水 新二 国立精神神経センター精神保健研究所, 精神保健計画部, 室長 (40113493)
指田 隆一 四天王寺国際仏教大学, 社会学部, 助教授 (00196198)
神原 文子 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (50186178)
善積 京子 追手門学院大学, 文学部, 助教授 (80123545)
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キーワード | 高度技術社会 / 家族変動 / 家族の私事化 / 家族ライフスタイルの多様化 / 事実婚 / 非婚ライフスタイル / 婚外子 / 性別役割分業 |
研究概要 |
本研究における基本仮説は次のとおりである。高度技術社会においては個人と家族との関係が多様化し、かつてのいわゆる標準的で画一的な核家族モデルから多様な家族モデルあるいは家族ライフスタイルへと変化するだろう。高度技術社会すなわちボストモダンにおいて高度に技術の進歩した社会における家族ライフスタイルの多様化は、家族の形態的側面のみならず、家族のさまざまな側面において展開するだろう。このことは、個人にとって制度的ならびに規範的に拘束的な存在であった家族ならびに家族生活が個人の主体的な選択の対象としてのライフスタイルの一つになることを意味する。本年度は、法律婚家族にたいする事実婚家族(非婚ライフスタイルの一形態)の実態調査を実施した。これは次年度における標準的家族との比較を可能にするための調査でもある。 高度技術社会を独立変数とし、従属変数を非婚ライフスタイルの一つとしての事実婚の選択とした次のような調査項目を設定した。まず個人の価値観についての4つの指標を設定して捉えた。第2に非婚ライフスタイルの選択動機について「婚姻届を出さないで共同生活をするようになった理由」や「婚外子の出産時の心境」や「婚外子をもたないでいる理由」などを捉えた。第3に非婚ライフスタイルの実態である役割分担、性関係のあり方、カップルとしての関係性の3領域を捉えた。第4に周囲の評価について親、きょうだい、親戚、友人、近隣、職場の上司や同僚などの反応を尋ねた。第5に現在のライフスタイルに対しての評価を捉えた。第6に個人の属性を捉えた。調査対象の抽出は、婚外子差別の廃止運動に関わっている団体と夫婦別姓選択制をすすめる運動団体のメンバーおよびその知り合いに協力を呼びかけてのいわゆるスノーボールサンプリング法によった。調査票の有効回収数は288カップルである。現在、データの統計処理と分析を行なっているところである。
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