研究課題
今年度においては、高度技術と国際関係に関して、次のような研究活動を行った。1)国際法、国際政治、国際共済からの研究の断続2)国際的な協力に関しての数理的なモデルの構築を断続し、データによる検証を行った。3)戦争、粉争、共済、技術についての長期的なデータを収集し、データ解析を開始した。研究の中心は、2)であり、そこでは、1つは、技術を国際的な公共財としてみた場合の、協力のあり方についてのモデルが構築された。そして、公共財の供給に関して、ナッシュ的衡解のさまざまなあり方を、とくに、協力に参加するグループのサイズ、という観点から分析した。そこでは、条件によって、協力が全く成り立たない場合、1ヵ国だけが協力する場合、グランド・コアリッションができる場合、の理論的な区分けが行われた。しかし、たとえば、環境に関する協力においては、ナッシュ解が、条件によって、さまざまなグループ・サイズをとりうることが示された。そして、理論的に、ナッシュ解にあるグループ・サイズの分布は、条件により、ポアソン、ユール、幾何、フィツシャータログ級数分布をとることが示された。そして、データによる検証の結果、科学技術協力は、ポアソン型の分布になることが多いことが示された。このような発見は、いままでなされきた研究によっては、明らかにならなかったことである。
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