研究課題/領域番号 |
04211102
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
嶋田 厚 筑波大学, 哲学思想学系, 教授 (30091903)
|
研究分担者 |
石田 佐恵子 大阪市立大学, 文学部, 助手 (70212884)
小林 信一 文教大学, 国際学部, 専任講師 (90186742)
生井 英考 共立女子大学, 国際文化学部, 専任講師 (50232161)
吉見 俊哉 東京大学, 社会情報研究所, 助教授 (40201040)
柏木 博 東京造形大学, 造形学部, 教授 (60246650)
|
キーワード | 情報化 / デザイン / 芸術 / 都市 / ネットワーク / コンピュータ / 電子 / 技術 |
研究概要 |
本年度は、平成3年度に行った聞き取り調査や関連データの分析を踏まえ、これを発展させる調査・研究活動を進めていった。すなわち、第1に、前年度にひきつづき、高度情報社会における都市や芸術・デザイン、生活表現に変容と問題点を、いくつかの典型的事例に関する現場の専門家への聞き取り調査を行うことを通して討議した。今年度は特に、以下の2点の重点が置かれた。(1)現代の情報化と芸術・デザインの変容を、歴史的な過程のなかで捉え返す作業として、19世紀末から電気情報テクノロジーの社会的浸透過程を音響と映像の両面から分析した。(2)同様の歴史的分析の一環として、わが国における1960年代から70年代にかけて芸術家と情報テクノロジーとの関わりを、当時の環境芸術をめぐる動きを分析することを通して明らかにした。第2に、コンピュータ技術がネットワーク化された形でデザインの現場に組み込まれていくなかで、企業におけるデザイン・プロセスがどのように変化しつつあるのかを、家電メーカー等の工場のデザイン現場を視察していくことによって調査した。第3に、(1)芸術、(2)デザイン、(3)映像、(4)生活表現という4つの主要研究テーマについて、それぞれ専門的なサブ研究グループでより個別的な文献調査とヒアリング、討議を行った。以上の3つのレベルの研究活動を通し、(a)電子テクノロジーによるデザイン過程及びデザイン美学の変容、(b)電子情報テクノロジーに社会的生成過程という2つのポイントに研究の焦点が絞られてきた。前者に関しては、本研究班のなかでも主として嶋田と柏木、生井が中心となって分析を発展させており、その成果のいくつかを論文として執筆している。また、後者に関しては、吉見および小林が中心となって分析を進めており、いくつかの成果を論文として執筆している。また、来年度に継続される以上の研究活動に加え、昨年度に行った研究活動とシンポジウムについてのとりまとめを行い、シンポジウムの成果を『思想』(岩波書店)の特集号として刊行しただけでなく、一部を成果報告書として刊行した。
|