研究課題/領域番号 |
04211114
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
佐藤 毅 一橋大学, 社会学部, 教授 (10061095)
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研究分担者 |
佐藤 卓巳 東京大学, 社会情報研究所, 助手 (80211944)
川浦 康至 横浜市立大学, 文理学部, 助教授 (10214595)
市川 孝一 文教大学, 人間科学部, 助教授 (30118608)
津金沢 聡広 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30079628)
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キーワード | 情報化 / 大衆文化 / 情報文化活動 / 文化活動分布マップ / 人とメディアの“インタアクション" / カラオケ文化 / メディア経験 / 情報交換の位相 |
研究概要 |
情報化と大衆文化のあり方を明らかにすることが本研究の根本であるが、本年度の研究は大きく分けると次の二つのサブテーマにしたがって行なわれた。「サブテーマI」は、大衆文化活動の社会的分布を明らかにする、文化活動分布マップづくりのため、平成4年12月に、全国の18歳以上の男女を対象にして、面接調査法による調査を行い、有効回収数1,357人の回答を得、その分析を試みた。その結果、「美術館や美術展に行く」「歴史と芸術の本を読む」などの活動には、職業、収入などによる階層性が認められたが、「テレビのバラエティ番組、ドキュメンタリー番組を見る」活動、また「カラオケを歌う」活動などには世代よる階層差が若干見られるものの、大衆文化として広く浸透していることがわかった。また「ビデオゲーム」などの新しい情報文化活動はなお若い世代を中心にとどまっていた。この結果、分析によって大衆文化マップづくりの第1段階に入ることができ、大きな成果をあげた。 「サブテーマII」は、(A)関東グループによるビデオゲームをめぐる研究と、(B)関西グループによるカラオケをめぐる研究に分かれる。(A)のビデオ研究では、人とメディアの“インタアクション"を成立条件とする“遊び"の理論的枠組づくりを行なった。一定の時空間のなかでの即応性や自在感など“新しいメディア経験"が析出された。また、商用パソコンネットワーク内に設けられている、ビデオゲームの会議室での発言分析を行い、雑誌などのメディアとは異なる情報交換の位相が明らかになった。さらに、昨年度に引き続き、新聞と雑誌の論調分析も行なった。(B)の関西グループによる「カラオケ」研究では、視聴覚メディアの発展が即存の大衆文化に及ぼす影響に焦点をあてて研究が行なわれてきている。また光ディスクのシステムや音楽映像LSDN放送に関する、ヒヤリング、若者の情報機器利用実態調査も行なった。
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