研究課題/領域番号 |
04211117
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
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研究分担者 |
今井 晴雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (10144396)
岡田 章 京都大学, 経済研究所, 助教授 (90152298)
有賀 健 京都大学, 経済研究所, 助教授 (60159506)
並河 永 埼玉大学, 経済学部, 講師 (00237588)
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キーワード | 情報化経済 / 不確実性 / 意思決定理論 / ゲーム理論 / 流通 / 限定合理性 / 不完全情報 / ネットワーク |
研究概要 |
本年度は、情報と意思決定、不確実性、流通業分析のそれぞれについての、理論の深化を図り、その適用可能性についての見極めを行った。情報と意思決定の研究では、情報化の進展の結果として経済主体間でより多くの情報・知識が共有される状況を考察した。昨年度から研究、調査を継続しているベイジアンゲームのモデルにおいて情報・知識の共有構造を定式化し、経済主体の意思決定問題が共有構造に即して部分的な意思決定間題に分解できることを示した。その結果を利用して、情報・知識の共有が経済主体間の協調、協力関係の実現を容易にするかどうかを分析し、情報・知識の共有が協力の阻害要因の一つとなるのはどのような経済環境下であるかを調べた。不確実性の研究では、マクロ経済の動きを示す指標を作成するためにいかなる情報を用いたらよいか、どのような方法で集計変数を作成すべきかを検討した。さらに、使用される情報量が多いほど、マクロモデルが、実際の経済の動きを説明できることがいえた。国際貿易を含むモデルで、西村(Economic Theory,1993)が、一国経済モデルでは、西村(Economic Theory,掲載予定)が、マクロの情報とカオスについての成果をまとめている。流通の研究では、流通における企業間関係のもつ情報伝達の機能について、次の2つの側面から分析した。第一に、流通チャネル内での価格形成機能の計量分析を行った。クロス・セクション分析を、価格の需給反応度に対して行ったところ、流通チャネルの閉鎖性や市場集中度が高い程、価格が硬直的であり、小売市場での経済緩和が進んでいる業種程下方硬直的、上方伸縮的な反応を示しやすく、第二に、企業間関係の濃淡と企業間信用の相関を計量的に分析し、流通チャネル内での情報面での結合の濃淡が、金融的な結合の強弱と照合することがわかった。
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