研究課題/領域番号 |
04211119
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
水越 敏行 大阪大学, 人間科学部, 教授 (20019409)
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研究分担者 |
田中 博之 大阪教育大学, 教育学部, 専任講師 (20207137)
吉田 貞介 金沢大学, 教育学部, 教授 (80135037)
木原 俊行 大阪大学, 人間科学部, 助手 (40231287)
中島 義明 大阪大学, 人間科学部, 教授 (90012492)
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キーワード | メディア・リテラシー / 批判的視聴能力 / 視覚行動 / マルチメディア / メディア教育 / 情報教育 |
研究概要 |
本年度は、以下のような3側面から、研究を進めた。 1.文献研究・調査研究によるリテラシー概念の再検討 高度情報化社会を迎えて、リテラシーの概念が大きく変わりつつある。機器の操作などの技能の位置が相対的に低下し、情報の伝達・表現能力や効果的なコミュニケーションをはかるためにメディアを選択できる能力、あるいは様々な情報源からその背景知識を探り、理解する能力などが重要視されだした。 このことを映像リテラシーに的をしぼって、更に詳しく変遷過程を追うと共に、現実の日本の中学校では「情報基礎」の全面実施を目前にして、コンピュータ等のメディアがどう活用され、いかなるリテラシーの教育がなされているのかをみるために、鹿児島、奈良、岐阜、新潟の4中学校でインタビュー調査した。 2.メディア・リテラシーの育成を目指した単元開発 一つは、毎日放送の4年生社会科番組から「大阪の上水道」を選び、10年前と平成4年の同一テーマの番組を比較させ、批判的視聴能力の育成を目指した実践研究をした。豊中市の小学校4年生と、京都市の小学校6年生で、番組比較をさせると共に、異なった発展学習の課題に取り組ませた。 二つには、マルチメディア・リテラシーを育成するために、「課題研究」と「総合表現活動」という二つの活動型の単元を取り上げ、京都市と豊中市の小学校で、授業の設計・実施・評価をしてきた。 3.映像視聴時の視覚行動の実験研究 実験Aでは、教育番組の中から6つのシーンを被験者に提示したが、その中にはオーバーラップ転換と非オーバーラップ転換を含めた。そして被験者の眼球運動を測定し、ショット転換直後の平均注視時間も測定した。実験Bでは、ズーミング操作に対する眼球運動や視覚行動について平均注視時間等を測定した。 以上の視覚行動の実験心理学的研究からテレビ等の映像視聴行動が、単なる受動的反応でなく、能動的な選択行動だとの示唆をえた。
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