研究課題/領域番号 |
04211122
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 亮一 自治医科大学, 医学部, 講師 (20175136)
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研究分担者 |
辻 和男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70155365)
宮治 眞 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (80128678)
石川 澄 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30168190)
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キーワード | プライバシー保護 / プライバシー権 / 医療情報 / 個人情報保護 / 自己情報コントロール権 / 閲覧請求権 |
研究概要 |
本研究は、医療関係者(医師)の医療情報についてのプライバシー保護意識を調査し、高度に情報化した今日の医療情報のプライバシー保護のあり方を研究することを目的としているが、実際の調査は平成5年度に行うこととし、本年度はその準備年度として、医療情報のプライバシー保護についての問題点の整理、およびプライバシー保護意識の調査票を設計することを目標とした。調査票の設計に先立って、個人情報保護条例を制定している801の地方自治体を対象にしてアンケート調査を行い、医療に関する個人情報の保護がどのように取り扱われているかの実態を調査した。その結果、個人情報保護条例においては、一般の個人情報に比べて、医療に関する個人情報に対しては、必ずしも十分な関心が払われておらず、明確な取り扱い規程がないことが明らかとなった。この結果については、昨年の第12回医療情報学連合大会において発表した。また、第12回医療情報学連合大会のワークショップや東京都医師会主催の医療とニューメディア・シンポジウムにおいて、医療関係者や患者団体などとも、医療情報のプライバシー保護の問題について討議した。その後、それらの調査や討議の結果を踏まえて、次年度に行うプライバシー保護意識に関する調査の調査票の原案を作成した。その後、研究者らが所属する大学病院の医師30名に対してプレテストを行い、その結果によって原案に多少の修正を加えて、調査票を完成した。完成した調査票の設問内容は、自己情報コントロール権を認めるか、患者には医療情報(カルテなど)の閲覧請求権があると考えるか、医療情報を患者以外の者が利用する場合に同意が必要だと考えるか、などである。 平成5年度には、この調査票を用いて約2,000名の医師に対する意識調査を実施し、その結果をもとに、今日の医療の個人情報についてのプライバシー保護のあり方をまとめる予定である。
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