研究課題
戦後経済改革と高度経済成長の関連の解明を課題とする本研究は、重点領域研究(1)の「企業構造の戦後的変容」、重点領域研究(2)の「戦後改革期におけるわが国金融政策・為替政策の研究」「戦後改革と公的金融の再編成」「戦後改革と経済発展の比較研究ー日本とイタリア」「ドイツの戦後改革と『経済の奇蹟』」との緊密な連携のもとに、平成4年度より開始された。研究活動は、(1)研究方法論の検討、(2)史料の収集、(3)史料の整理の3分野で進行中である。(1)研究方法論の検討に関しては、『通商産業政策史』(第I期戦後復興期)の執筆者(山崎広明・三和良一・橘川武郎・阿部武司・岡崎哲二・西川博史・伊藤正直)、米沢義衛青山学院大学教授(テーマ:朝鮮戦争特需の波及効果)を報告者とする研究会を開催し方法および未解明の論点の検討をおこなった。(2)史料の収集に関しては、戦後期の企業内資料の所在状況調査を進めると同時に、企業関係者からのヒアリングをおこない、速記録を作成した。(3)史料の整理に関しては、占領期の基本資料であるGHQ文書の検索データ・ベース化の作業に着手した。GHQ文書のDescription Cardのデータ・ベース化作業は国立国会図書館憲政資料室で進められているので、本研究プロジェクトでは、原資料のContents Listのデータ・ベース化を行なうこととして憲政資料室と分業体制をとっている。本年度は、TS(Top Secret)と分類されたGHQ文書の処理を終了し、経済科学局ESS文書の中から主要な分類群を選んでContents Listのコピー作成およびその検索データ・ベース化作業を続けている。