研究課題/領域番号 |
04214104
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
斉藤 正徳 東京工業大学, 理学部, 教授 (10011553)
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研究分担者 |
井宮 淳 千葉大学, 工学部, 助教授 (10176505)
島倉 信 千葉大学, 工学部, 教授 (00009721)
亀井 宏行 東京工業大学, 情報理工学研究科, 助教授 (60143658)
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キーワード | グラジオメータ / 磁気探査 / ベクトル場 / 磁気異常 / 遺跡 |
研究概要 |
前年度に引き続、3軸グラジオメータによる磁気勾配探査実験を以下の遺跡に対して行ない、ベクトル磁気探査法の実用上の評価を行った。 1.行者塚古墳(兵庫県加古川市):前方後円墳の後円部で測定を行い、その後の発掘調査との対比を行った。局在する振幅の大きな異常が観測された地点からは大量の鉄製副葬品が発見され、振幅は小さいが広い範囲にわたった異常領域からは粘土槨が発見されている。 2.稲荷塚古墳(京都府長岡京市):大きな磁気異常が観測されたがこれらは先に行われたトレンチ調査の地域と重なっているため、この影響である疑いが強い。 3.夷森古墳(宮城県加美郡宮崎町):円墳の墳頂部にあった社の解体に伴うと思われる多数の鉄釘が散乱しており事前に金属探知機を用いて除去したが完全に取り除くことはできなかった。墳頂部には社跡を取り囲む形の磁気異常が観測されたが、これは発掘調査によっても確認された。 4.大戸古窯跡群(会津若松市):南原49号窯跡地区で観測が行ったが、考古学的に予想される位置に磁気異常は観測されなかった。地形の効果が探査結果に大きく影響したものと考えられる。 5.西都原古墳群地下式横穴墓(宮城県西都原市):原口地区の2ケ所で探査を行い、考古学的に推定されている4、5、6号墓の位置、および地下レーダで存在が推定されている位置に負の磁気異常が観測された。 今年度の調査ではトレンチ調査の埋め戻しの際の残存物、近世の構造物の残存物の(鉄釘など)のために十分な探査が行えない例があった。試掘後の埋め戻しには十分な配慮をする必要があると同時に、磁気探査の前にこれらのノイズ源を取り除く作業が必要である。また、窯跡などの起伏の大きい地域では観測値に地形の補正を行うことが重要であることも明らかになった。
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