研究課題/領域番号 |
04214107
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
鈴木 務 電気通信大学, 電子工学科, 教授 (10017311)
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研究分担者 |
日馬 廉 電通大, 電子工学科, 助教授 (90017377)
荒井 郁男 電通大, 電子工学科, 助教授 (90017400)
佐藤 源之 東北大, 資源工学科, 助教授 (40178778)
武冨 喜八郎 岐阜高専, 電気工学科, 教授 (90043083)
宮崎 保光 豊橋科学技術大学, 情報工学系, 教授 (00023169)
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キーワード | パルス波 / レーダ / 合成開口技術 / ターンスタイルアンテナ / ボアホールレーダ / ケプストラム解析 / 地下探査 / 信号処理 |
研究概要 |
電磁パルスを用いて地下を探査するパルスレーダは地表面から高速かつ非破壊的に地下を画像化する装置として従来都市部で埋設された通信や電力ケーブル、ガスや水道のパイプの検出に用いられてきた。遺跡探査のように野山や荒地で操作するのに車輪付の重い都市型レーダは現場に適せず、また埋蔵物を判別する能力も劣っていた。 本研究はパルスレーダの特色を活かして遺跡探査に適したレーダを開発するもので平成4年度は新しい基礎的な研究を3つのグループに分かれて実行した。 電通大グループ 電気的偏波回転を行う新しいパルスターンスタイルアンテナの開発、パターンマッチング合成開口技術の研究、パルスレーダ送信部の試作なども行った。 豊橋技科大・岐阜高専グループ ケプストラム法による地下空洞の検知、物体からの電磁波反射の有限要素法による解析など理論解析と探知実験を行った。 東北大グループ クロス偏波ボアホールアンテナの試作とボアホールレーダーによる水平方向の地下探査実験を行った。 これらの研究の成果は平成4年12月開催した第2回地下電磁計測ワークショップ、平成5年2月に行った遺跡探査の研究会や、ISAP国際会議、電子情報通信学会、計測自動制御学会会議などに発表された。平成4年度の基礎的研究は来年度以降の研究の方向を決定するのに有用であった。 従来型地下探査パルスレーダを遺跡探査へ応用する場合の問題点についての検討を行った結果によると (1)山野や荒地で操作するため小形で軽量な装置とすること (2)深い地中の遺跡や小さな物体まで検出できるため探知感度を高めること (3)石物、木造物、陶器などの非金属の検知性能が高いこと (4)石室、空洞などが識別できること (5)深度及び水平方向の分解能をよくすること (6)地表の高低に沿った地中の表示が出来ること (7)埋蔵物の形状識別が出来ること などが要望されることが分かった。平成5年1月に奈良県明日香村でパルスレーダを用いた古墳の探査実験を行い、地中から空洞(石室)のレーダ画像を確認することが出来たが十分な識別性にまで達していないのが現状である。今後は上記の項目に対応して研究を行う予定である。
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