研究課題/領域番号 |
04214112
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
三浦 定俊 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925)
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研究分担者 |
佐野 千絵 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (40215885)
川野邊 渉 東京国立文化財研究所, 修復技術部, 主任研究官 (00169749)
山口 和夫 神奈川大学, 理学部, 助教授 (20114902)
中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
中條 利一郎 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (60016285)
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キーワード | 遺跡探査 / 光学探査 / 地温 / 温度分布 / 熱赤外画像 |
研究概要 |
これまで群馬県子持村等の遺跡を対象に光学的情報を利用した遺跡探査の研究を行い、可視画像や近赤外、熱赤外画像を用い遺跡探査が可能なことを示してきた。これらの情報により遺跡の所在が明らかになる理由は、遺跡のある場所とない場所で表土の含水率と温度が異なるからであるが、熱赤外画像を用いた探査では熱画像に土壌の表面温度だけでなく放射率も関係するので、探査範囲内で土壌の種類が異なる場合、正確な情報が得られないのが欠点である。そこで地温を直接測定して遺跡探査を行う方法について試験するために、熱の不良導体としての発泡スチロールと発熱源としての堆肥を埋設した実験場で温度探査を行った。いずれも地下1mの深さに埋設し温度測定は地下0.5mで行ったが、何もない測定点に比べて発泡スチロールのある測定点は低く、堆肥のある測定点は高く温度が測定され、埋蔵物の存在が探査できた。日照による温度パターンの変化は検出できなかったが、その理由は日変化が地中に及ぶ深さより深い位置に、埋設物があったためと考えられた。時に1m近い深さにある遺跡まで光学探査により検出されることがある理由は、次のようなメカニズムに基づいているのではないかと考えられる。地下に遺跡があって表土の厚みに違いがある場合、朝方の日照により表土が薄い部分ほど地温が上昇して水分が蒸発し乾燥する。この時、土壌の比熱が小さくなるために、さらに地温が上昇して乾燥が促進され、ますます遺跡のある部分の地温が上昇する。今回の結果から考察すると、気温の日変化が及びにくい深さに遺跡がある場合でも、適当な深さで地中温度を計測して温度分布を測定すれば、地下に比熱の異常があると気温の年変化の地中への伝わり方が異なるので、遺跡の存在を検出することができるのではないかと予想される。
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