研究課題/領域番号 |
04214112
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
三浦 定俊 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 部長 (50099925)
|
研究分担者 |
山口 和夫 神奈川大学, 理学部, 助教授 (20114902)
中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
中條 利一郎 帝京科学大学, 理工学部, 教授 (60016285)
佐野 千絵 東京国立文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (40215885)
川野邊 渉 東京国立文化財研究所, 修復技術部, 主任研究官 (00169749)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1996
|
キーワード | 遺跡探査 / リモートセンシング / 土壌含水率 / 有機物 |
研究概要 |
地中に埋もれた遺跡の探査には一般に電気・磁気・地中レーダーによる探査手法が用いられているが、これらの手法では広い範囲で遺跡の所在を確認したり、遺跡の広がりを調査することは難しい。また地下にある空洞や金属を探知できても、それがどのような遺跡であるかまでは知ることはできない。このような遺跡探査についての研究状況を元に、広い範囲を一度に探査する手法として光学的探査を、発見された遺跡の性格を明らかにする手法として化学的探査を研究するために本研究を計画した。具体的には人工衛生、航空機、気球などからの光学的情報と共に、ボーリングして採取した試料を分析して得られる有機物質の分布等の化学的情報を用いて遺跡の性格を調べる手法について研究した。その結果、遺跡の存在により地表面の温度や含水率に違いが生じることが明らかになり、温度分布や放射率分布、近赤外光・可視光領域におけるスペクトルの変化を探査に利用できることがわかった。遺跡によって状況が異なるために特にどのバンドを遺跡探査に用いればよいとは断定しにくいが、多くの場合においてカラー写真、近赤外線写真を熱赤外画像と比較することは有効である。撮影方法については日本の遺跡の大きさを考慮すると人工衛生からの画像は解像度が不十分で、ヘリコプターや気球を利用する方法が適している。中でも気球を利用する方法が簡便であるが、風の強いときには撮影できない等の欠点がある。化学探査については、従来から利用されている脂肪酸などの他に、土壌中の有機物含有量を測定することで、長い期間生活が営まれた地層とそうでない地層との間に違いを見だせた。しかし施肥の燐濃度に対する影響など、結果の解釈については十分な注意が必要である。
|