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1992 年度 実績報告書

急速凍結X線吸の収スペクトル法による錯体、金属タンパク質の反応過程の解析

研究課題

研究課題/領域番号 04215221
研究機関自治医科大学

研究代表者

西郷 敏  自治医科大学, 医学部, 助教授 (70049071)

研究分担者 柴山 修哉  自治医科大学, 医学部, 講師 (20196439)
キーワード金属タンパク質 / X線吸収スペクトル / 急速凍結法 / 配位構造 / カルボキシペプチダーゼA
研究概要

昨年度までの研究で、ミオグロビンの反応中間体のX線吸収スペクトルを急速凍結法により測定し、その構造上の特徴を明かにすることが出来た。本年度は、亜鉛を含むタンパク質分解酵素であるカルボキシペプチダーゼA(CPA)について、その酵素基質複合体を同様の方法で調べた。基質としては、反応の過程を、可視部の蛍光強度の変化で追跡できるダンシル-アラニル-アラニル-フェニルアラニンを用いた。この基質とCPAの反応過程はストップトフロー法により、Auldらのグループにより詳しく調べられ、(1)CPAと基質の混合直後に一つの複合体ES_1が生成し、(2)その後の速い過程によりもう一つの複合体ES_2が生じ、(3)これに続く遅い過程で、基質が分解されることが分かった。反応を遅くし、途中に現れる中間体を十分に蓄積するために、凍結防止剤NaNO_3の共在下、-15℃の低温で反応を観測した。その結果、上に述べたような過程を確認することが出来た。つぎの、反応の開始後、(a)7msと(b)0.6sの時点で急速凍結を行い、得られた試料のZn-k吸収端のX線吸収スペクトルを測定した。(a)と(b)の時点でCPAはそれぞれ主としてES_1とES_2の状態にあると思われる。XANES領域におけるスペクトル(a)は、単独の酵素のスペクトルに良く似ていた。このことはES_1がいわゆるミカエリス複合体であって、基質と亜鉛原子は直接の相互作用をしていないことを意味する。一方、これらに比べ、XANES領域におけるスペクトル(b)は、主ピークが鋭く幅が狭い。金属原子の配位数が4配位から5配位または6配位になるとK吸収端の主ピークが鋭くなるとともに高さが増大することがいくつかの化合物で報告されている。このことから、ES_2の状態では、単独の酵素に比べて、金属まわりの対称性が増加している可能性がある。
X線結晶解析の結果に基づいて提案されている反応機構と以上の結果の関連は今後の研究課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 西郷 敏,橋本 秀樹: "X線吸収スペクトル法によるタンパク質反応中間体の構造解析" 放射光. 6. 13-24 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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