• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

超高圧下でのFeH-FeO系の融点と表面張力の決定

研究課題

研究課題/領域番号 04216203
研究機関東京工業大学

研究代表者

高橋 栄一  東京工業大学, 理学部, 助教授 (40144779)

キーワード超高圧 / マルチアンビル / 地球中心核 / 隕石 / 金属鉄 / 水素 / 惑星形成 / 表面張力
研究概要

中央大学の深井らによれば、Feは5GPa以上の圧力では水素とほぼ等モル比の化合物FeHxを作り、Fe-FeH系の共融温度は純鉄に較べ数100℃低下することが知られている。我々は東工大のマルチアンビル装置を用いてFeとカンラン石の混合物を高圧下で加熱し、更に水素と反応させてFeH-カンラン石システムの溶融組織を電顕観察した。その結果(1)FeHの融点が5〜10GPaの圧力範囲で約800℃程度であること、(2)水素源に加えてH_2Oの存在下では、Fe-FeH-FeOの共融現象が起こり、7GPa以上の圧力では共融液に10%以上のFeOが溶存すること、などを明らかにした。今回の実験圧力範囲内では溶融FeHとカンラン石の二相分離は進行せず、金属メルトとシリケイト間の表面エネルギー差は水素の存在下でもあまり低下しないと考えられる。しかしながら天然の炭素質コンドライトを用いた融解実験では(3)15GPa以上の圧力になるとFe-FeO-FeSの共融液の組成がFeOに富む側にシフトし、且つ融液の表面張力が低下してカンラン石の隙間を埋めるネットワーク構造を形成することが判った。17GPaの圧力下で隕石を構成するシリケイト相(主としてピネルとメージャライト)の共融温度より約100℃低い1700℃に於いて10分〜60分の実験を行いそれぞれの組織を観察した。この実験では60分以内に大半のFe-FeO-FeS共融液がパーコレーションによりシリケイトから分離した。(1)、(2)、(3)の観察を基に惑星形成時のコア形成過程に関するモデルを作り1992年8月のIGC京都国際会議で発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 高橋 栄一: "地球創成期のマグマの海を再現する" 科学. 63. 32-44 (1993)

  • [文献書誌] E.TAKAHASHI: "Melting Study of a peridotite KLB-1 to 6.5GPa" Phil.Trans.Royal Soc.London.Ser.A. (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi