種々の混合比のアルキルリチウム(MeLi)とジアルキル亜鉛(Bu_2Zn)の重トルエン溶液で、温度可変 ^<13>C{ ^1H}NMRを測定し、混合アルキル亜鉛リチウムは、室温でMeBu_2ZnLi(1)とMe_2Bu_2ZnLi_2(2)(higher order)の2種が区別できることを明らかにした。この混合トリアルキル亜鉛リチウム種を用いて、シクロペンテノン、シクロヘキセノンへの共役付加におけるアルキル基易動度(transfer ratio)を比較検討した。キラルな、官能基化された有機基R^*を含むMe_2R^*ZnLiのシクロペンテノン系へのジアステレオ選択的な共役付加も行って、R^*基の移動のみが有効に進行することを確かめた。その展開として、(Z)-ビニルジメチル亜鉛リチウムを調製し、速度論的分割の手法で、プロスタグランジンPGE_<>合成に適用した。さらに、鎖状エノンへの共役付加については、その反応性、選択性共に不満足なことを改善する試みの中で、Stork中間体6へのα-側鎖導入を行い、好収率でPGE_2中間体10を得た(Scheme)。 酸素によるR_2Znの自動酸化で生じるROOZnRがエノンへの求核的エポキシ化剤となることは既に報告している、これの特定基質でのジアステレオ面選択性の検討も行った。
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