研究概要 |
1.並列分散協調処理システムのモデル化と記述言語に関する研究:メッセージフロー・モデルに基づき超並列計算機用マルチエージェント・システム記述言語を開発し,ロボットの動作記述に応用する研究を行った.また,マクロなサブシステム間で協調しながら動作する超並列画像理解のためのニューラルネットワークモデルの構成方式を明らかにした. 2.移動ロボットによる協調作業のスキルおよびマイクロマシンに関する研究:複数のロボットが共同で一つの作業を行う環境を想定し,この場合必要となる要素とは何かについて研究を行った.特に移動ロボットの場合を取り上げ,これが箱を押して進む場合の制御アルゴリズムを導いた.一方,マイクロマシンのアクチュエータに関する基礎研究を行った. 3.複数台マニピュレータによる協調作業およびセンサシステム:複数マニピュレータによる協調作業に関し,自律的なルール型制御法を提案し,その有効性を実験により確認した.また,簡単な持ち運び作業を対象とし,各マニピュレータに対する最適な付加分配を求めるアルゴリズムを開発した.また,センサシステム協調のための画像データ構造を提案した. 4.自律的主体相互間の協調作業の研究:昨年度に得られた知見をもとに,人間により構成される自律分散システムにおける協調作業を支援するための枠組みに関する検討がなされた.情報量の上で重要度の高い視覚系に関して,その情報を共有するための手法が提案され,その有効性が明らかにされた.また,より将来的なビジョンとした仮想空間生成の技術を利用した協調作業支援環境のプロトタイプが試作された. 5.免疫系における自律分散的情報処理の解析:先年度までに行った解析に基づき,免疫情報処理を真似た人工システムを考案している.マイクロマシンの構造を与え,その製作プロセスを自律分散的に決定するシステムについて考察した.
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