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1992 年度 実績報告書

金属人工格子多層膜における原子拡散機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04224201
研究機関岩手大学

研究代表者

中嶋 英雄  岩手大学, 工学部, 教授 (30134042)

キーワード金属人工格子 / 多層膜 / 拡散 / 相互拡散 / オージェ電子分光法
研究概要

最近、Fe/Cr多層膜で巨大磁気抵抗を示すことが見いだされており、このFe/Cr多層膜の界面反応、相互拡散を明かにすることはこの磁気抵抗の発現機構を解明していく上でも興味がある。本研究では、スパッタ法で作製したFe/Cr多層膜における相互拡散機構を明らかにする目的で、そのアニール拡散過程をオージェ電子分光分析法で調べたので、その結果を報告する。
2元ターゲットを有する高周波スパッタ装置を用いてFe/Cr多層膜を作製した。Fe層およびCr層は回転テーブルに取り付けられた石英基板上に相互にスパッタすることによって積層させた。回転対陰極型X線ディフラクトメーター法を用いて多層膜の積層周期を決定した。拡散アニールを所定の温度、所定の時間、ターボ分子ポンプ排気による10^<-8>Torrの真空度の下で行なわれた。拡散アニール前後の多層膜の濃度分布をオージェ電子分光分析法によって測定した。
測定の結果、Fe/Cr多層膜の波さ方向の濃度分布はX線ディフラクトメーター法を用いて決定した積層周期の結果と一致した。また、多層膜の濃度分布をフーリェ級数で表わすことができるが、拡散時間が十分な長くない時は級数の必要な項まで考慮しなければならないことを示した。本研究では第3項まで考慮してデータの解析を行なった。得られた相互拡散係数の値は粒界拡散よりもむしろ、バルクの相互拡散係数の低温側への外挿値に近いことを明らかにした。Fe/Cr多層膜の拡散のための活性化エネルギーは、バルクの場合の活性化エネルギーよりも23%程度小さい。これは、多層膜がバルク合金よりも結晶粒界、空孔、転位などの格子欠陥をより多く含むためと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Nakajima: "Interdiffusion in Fe/Cr Multilayer Thin Films" J.Mag.Mag.Mat.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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