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1992 年度 実績報告書

非固溶関係にある高融点/低融点金属人工格子の作製と高温における構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04224213
研究機関名古屋大学

研究代表者

古谷野 有  名古屋大学, 工学部, 助手 (00215419)

研究分担者 水谷 宇一郎  名古屋大学, 工学部, 教授 (00072679)
福永 俊晴  名古屋大学, 工学部, 助教授 (60142072)
キーワードCu / Ta人工格子 / X線構造解析 / 中性子共鳴吸収分光
研究概要

我々はメカニカルアロイング(MA)法による非平衡物質の作製と物性の研究を行なっている。MAは2種類以上の金属粉末をボールミルで強撹拌することにより固相反応を引き起こし合金を作製する手法であるが、この初期段階において金属の多層構造が生成し、その界面から合金化が進行する。人工格子膜は試料全体がこの状態になっているものであり、ボールミリングによって引き起こされている現象を観察するのに最も適した試料と考えられている。我々は非固溶系であるにもかかわらずMAでアモルファス相が作製できるCu-Ta系について様々な観点から研究を進めており、その一環としてCuとの界面におけるのTaの構造と熱振動についてCu/Ta多層膜を試料として調べた。
室温に保たれた基板上にCuとTaを交互に蒸着することにより組成変調構造を持つ薄膜を得た。X線回折実験によりその界面は平坦ではないこと、Cu層はバルクと同じくfcc構造を保持していることがわかった。Ta層については、驚くべき事に、バルクと同じbccとは言えない、むしろアモルファスに近い非常に乱れた構造になっていることが判明した。そのTa原子の熱振動を高エネルギー物理学研究所ブースター利用施設に設置されている中性子共鳴吸収分光装置(RAT)で調べたところデバイ温度がbcc Taの約1/2に低下していることが見いだされた。これは原子構造が乱れることによって原子間の結合が弱まっていることに起因すると考えられる。なお、人工格子膜の熱振動を中性子で測定したのは我々が世界で最初であり、本重点領域研究による画期的な成果の一つであると自負している。本研究補助金により購入した設備備品であるチューブシールド、防X線カバー、高圧ケーブルをCu/Ta膜のX線構造解析に有効に利用した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Koyano,Lee,Fukunaga,Mizutani,Ikeda,Higuchi,Nishikawa,Kita and Tasaki: "Structural Studies of Multilayered Films Composed of Immiscible Pair Of Cu and Ta." Journal of Magretizm and Magnetic Materials.72. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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