研究課題/領域番号 |
04225103
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森島 績 京都大学, 工学部, 教授 (50026093)
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研究分担者 |
上山 憲一 大阪大学, 理学部, 助教授 (80093376)
三木 邦夫 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10116105)
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
石村 巽 慶応大学, 医学部, 教授 (40025599)
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キーワード | ヘム蛋白質 / 軸配位子置換 / P-450 / チトクロムc2 / チトクロムc3 / 鉄-硫黄蛋白質 / 鉄5価ポルフィリン |
研究概要 |
本研究では金属蛋白質、特にヘム蛋白質、鉄-硫黄蛋白質の持つ多元的構造、すなわち金属イオンの配位環境、蛋白質の立体構造、高次構造や動的構造、とその反応制御機構との関連を明らかにし、反応過程を制御する構造因子を見いだすことを試みた。森島らはヘム蛋白質におけるヘム鉄の配位環境制御による酸素添加反応過程の解明を目指して、配位子置換人工変異ミオグロビンおよびモデルポルフィリン錯体による研究を行なった。まず、ヘム鉄軸配位子のヒスチジンをシステイン、チロシンに置換したミオグロビンを作成し、P-450活性、カタラーゼ活性、さらにはこれら酵素反応サイクルにみられる中間体、すなわち鉄に配位した過酸化物のO-O結合開裂反応様式を検討した。その結果、チオレートの配位はヘテロリシス反応を加速する効果があることが判明した。この軸配位子効果は鉄ポルフィリン錯体を用いたモデル系を用いることによっても確認された。また、新しい高原子価鉄ポルフィリンとして、オキソ鉄5価ポルフィリンの生成に初めて成功し、さらにオレフィンに対する酸素原子添加反応性を検討した結果、オキソ鉄4価ポルフィリンカチオンラジカルより反応性が低いことがわかった。石村らはP-450のヘム近傍のスレオニン252を種々のアミノ酸に置換した変異体を用いて酸素添加反応活性を検討し、この残基のプロトン供与性が機能発現に重要であることを示した。森島らは石村らのこれらP-450変異体のNMRの測定を行ない、ヘム近傍微細構造を明らかにした。三木らはチトクロムc2について分子動力学をとりいれた結晶構造の精密化をおこなった。阿久津らはチトクロムc3のNMRスペクトルのシグナルの帰属などをさらに進め、四つのヘムのヘム近傍ミクロ構造と各々のヘムの酸化環元電位との関係を明らかにした。上山らはモリブデンを含む酸化酵素のモデル錯体の合成、特性解析を行なった。
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