研究課題/領域番号 |
04225211
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
櫻井 武 金沢大学, 教養部, 助教授 (90116038)
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研究分担者 |
池田 修 金沢大学, 教養部, 教授 (60089878)
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キーワード | ラッカーゼ / アスコルビン酸オキシダーゼ / マルチ銅オキシダーゼ / チトクロム / 電子移動反応 / ステラシアニン / 認識 / 酸化還元 |
研究概要 |
ブルー銅タンパク質のひとつであるウルシのステラシアニンの直接電気化学を行い、タンパク質内部のレドックスセンターへの電子の出入りについて検討した。まず、いくつかのpHにおいて酸化と還元プロセスの活性化エネルギーを測定し、酸化体と還元体のエネルギー差を考慮しても、酸化過程と還元過程の活性化エネルギーにはかなり差があることを明らかにした。次いで、ポテンシャルステップ法によって速度論的に検討して、サイクリックボルタンメトリーではわからないタンパクの電極表面での挙動に関する情報を得た。即ち、ステラシアニンが還元された後、酸化が起こるまでには100ms程度の時間を要することから、電子の入り口と出口が異なっているために、電極表面でタンパク分子が向きを変える時間が要するものと解釈された。酸化と還元の速度定数を個別に決定することも試みたが、ステラシアニンの場合には拡散律速ではないため測定できないことがわかった。現在はシュードアズリン、プランタシアニン、プラストシアニンなど別のブルー銅タンパク質について検討をはじめている。 前年度はチトクロムcからラッカーゼへの電子移動が可能であることを明らかにし、タンパク間の相互作用や電子移動の推進力に関する情報を得たが、本年はまずラッカーゼからタイプ2銅を選択的に除去した誘導体を数種類作り、ヘムからの電子受容部位は4つの銅イオンのうちタイプ1銅であることを明らかにした。次いで、チトクロムcとアスコルビン酸オキシダーゼの電子移動過程を調べた。両タンパクは共に塩基性であるが、反応に先立つタンパク質どうしの会合においては、全体的な電荷ではなく、局所的な静電相互作用によってポリフィリンのエッジとタイプ1銅が電子伝達可能な距離と配向をとりうることがわかった。また、pH依存性や誘導体を用いた実験からアスコルビン酸オキシダーゼには分光学的なデータには反映されないような構造的ゆらぎのあることが示唆された。
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