研究概要 |
変異原性塩基アナログ、N^4-アミノシトシンがどのようにグアニンともアデニンとも塩基対を形成できるか知るために、その二本鎖形成能について検討した。まず、シトシンをただ一つ含む9-mer,5'-TAGGCGGTA-3'を亜硫酸-ヒドラジン混液で処理し、シトシンが特異的に反応してアミノシトシン(C^<am>)に喬化したオリゴヌクレオチド5'-TAGGC^<am>GGTA-3'に変換し、HPLCで精製した。その一部をとり、N^4-アミノシトシンに特異的な誘導体化後、酵素消化して調べたところ、A:T:G:アミノシトシンが2:2:4:1と予想どうりの結果となった。従って、この条件で5'-TAGGC^<am>GGTA-3'が合成できているることがわかった。この9-merと相補的でC^<am>の相手にGあるいはAが位置する2種のオリゴヌクレオチド5'-TACCGCCTA-3'および5'-TACCACCTA-3'を合成し、それぞれをアニールして2種のduplexを得た。これらC^<am>をふくむduplexと対応する通常塩基のみを含むduplexの熱融解の実験から、塩基対の安定性はC-G>C^<am>-A>C-Aと推定され、アミノdCTPの取り込みの実験と良く一致した。 また、異常塩基を含むオリゴヌクレオチドを直接、酵母に作用してクロモソームDNA中に異常塩基を導入することを試みた。まず、変異原性ヌクレオシドアナログ、6-ヒドロキシルアミノプリンをクロモソームDNA中に導入し、生じた変異を分析した。その結果6-ヒドロキシルアミノプリンは主にアデニンとして振る舞うが、グアニンとしても振る舞って、ATからCGへの変異を引き起こすことが示された。この方法を利用してその他の修飾塩基の塩基対形成能についても現在解析を進めている、
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