研究課題/領域番号 |
04227101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西永 頌 東京大学, 工学部, 教授 (10023128)
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研究分担者 |
岸 清 東京理科大, 理学部, 助教授 (90087354)
墻内 千尋 京都工繊大, 工芸学部, 助教授 (80027812)
七里 公毅 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80046987)
後藤 芳彦 東京理科大, 基礎工学部, 助教授 (90005942)
大鉢 忠 同志社大学, 工学部, 教授 (40066270)
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キーワード | 核形成 / 成長カイネティクス / MBE / 表面拡散 / 原子ステップ / 再蒸発 / ラマン分光法 / 荒れた面 |
研究概要 |
核形成に関しては高真空高分解能走査型電子顕微鏡を用い、その内部で銀をグラファイト基板に蒸着し核形成をその場観察した(後藤)。次に溶液内の核形成を電流を用いて制御し、核形成を起こす要因につき調べた(大鉢)。又、気相における三次元核形成の例として硫化物系化合物の核形成を調べ液体の三次元核を出発核とし核形成が行われることを明らかにした(墻内)。核形成に密接に関係しているのはそこまで原子が運ばれ組み込まれるプロセスであり、これを成長カイネティクスと言う。そのプロセスの中で重要なのは原子の表面拡散である。表面拡散に関しては多くの問題が未解決のまま残されているが、化合物の成長における表面拡散には成長表面でのストイキオメトリーの問題があり現象を複雑にしている。本研究ではノンプレーナ基板を用い、表面拡散の研究を行った。実験はマイクロプローブRHEED-MBE装置を用いV溝を持つ基板の上でGaAsの成長速度を局所的に測定し、原子が結晶に組み込まれるまでの拡散距離をくわしく調べた。それによるとこの拡散距離はAs圧に強く依存しており、このことからステップ端ではGaリッチとなっておりこのためAs供給律速となっていることがわかった(西永)。又、成長は表面が原子的に平坦か荒れているかにより大きく様相が異なる。これを氷結晶を用い、圧力を加えることにより融点を変化させ調べた。結果を解析すると従来の簡単な理論では説明できないことがわかった(七里)。更に成長時、二方向からの結晶が出会う時、どのように結晶の連続性が保たれるかにつき実験的理論的に調べた(岸)。又、表面で移動している原子は条件により再蒸発するがこの振舞を同位体効果により調べた(土山)。さらに、ラマン分光法を用いて成長時の歪の有無についてその場観察により調べた(河東田)。
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