研究課題/領域番号 |
04229105
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有川 節夫 九州大学, 理学部, 教授 (40037221)
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研究分担者 |
篠原 武 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (60154225)
原口 誠 東京工業大学, 総合理工学部, 助教授 (40128450)
石塚 満 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50114369)
丸岡 章 東北大学, 工学部, 教授 (50005427)
小野 寛晰 広島大学, 工学部, 教授 (90055319)
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キーワード | 概念形成 / 知識獲得 / 帰納推論 / 類推 / 仮説推論 / 計算論的学習理論 / 計算量理論 |
研究概要 |
班の研究会は,9月と12月に開催した.各分担者による本年度の研究成果は,以下に示す通りであるが,全般的にみて,本年度も当初の計画通りの成果が得られた. (1)概念形成と知識獲得の論理.小野は,最近提案された「結論への飛躍」という新しい論理の枠組みを詳細に検討して,これを概念形成と知識獲得の論理としてまとめあげることが可能であることを示した.有川は,推測回数の制限された帰納推論について深く研究した.従来の極限における同定と違って,確信がもてた時点でただ1回だけ正しい仮説を出力するという有限同定の特徴付けに成功した.また,指示された回数だけしか仮説を出力できない帰納推論の方式についても同様に重要な成果を得た. (2)推論による概念形成と知識獲得.石塚は,不完全な知識を仮説として操作する仮説推論について,理論および実際からの研究を行い,推論の速度を飛躍的に高速化することに成功した.原口は,法規の欠落を補うための法解釈技術としての類推とその基本メカニズムを提案し,理論化を試み,拡大解釈,類推解釈,類似性制約下での一般化操作などについて基本的な成果を得た.篠原は,昨年度展開していた極小多重汎化に関する研究を続行し,正データから多項式時間学習可能な有用なクラスを得た. (3)概念形成と知識獲得における計算量.丸岡は,PAC学習可能性と情報圧縮に関する精密な理論を展開して,昨年度指摘しておいたいくつかの問題を解決した.横森は,MAT学習,特に非決性有限オートマトンの学習可能性について,重要な成果を得た.富樫は,代数的プロセスを対象とした,概念形成と知識獲得について,計算量も考慮した新しい理論を展開した.有川は,協力者と共に,計算量理論に基づいた学習理論を展開し,それをアミノ酸配列からの知識獲得に応用し,単純で非常に精度の高いモチーフの発見に成功した.
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