研究分担者 |
後藤 武生 東北大学, 理学部, 教授 (10004342)
渡部 三雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (20004286)
山本 恵一 神戸大学, 工学部, 教授 (80031087)
美浜 和弘 大同工業大学, 応用電子, 教授 (50023007)
菅野 暁 姫路工業大学, 理学部, 教授 (70013464)
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研究概要 |
A01〜A03班間の相互連絡のため、全体の研究集会を7月と1月に各2泊3日の日程で行なった。また全体の研究進行状況調査及び来年度計画見直し検討のため、総括班会議を12月に行なった。A01班(理論)は、多くの物質のマイクロクラスターの電子状態や構造ゆらぎの数値解析・金属クラスターの電気的性質における近藤効果・シェル構造等固有の研究を行なうと共に、研究総会でA02班A03班から報告されたスパーシェル構造・Au_<55>の解析を行なったり、ボロンクラスター設計や励起子ストリングの光応答実験の提言を行なう等、多岐に渡って個々の成果を上げると共に、班間の共同研究の実も上げた。A02班(自由空間の微粒子)は、イオン・トラップ装置・サイズ分割クラスタービーム発生装置,高密度クラスタービーム発生装置等の主要機器の開発に成功し、それらを用いてクラスターと分子の反応,スーパーシェル構造,ビームからの発光,ビームのX線吸収の実験を行なった。また一部の研究者これらの装置を用いて、カーポンクラスターの研究を発展させ、その分野の実験で研究で世界をリードする成果も上げた。A03班(高密度担持)は、Si,Ge,Au等の単体クラスター,CuCl・GaAs等の化合物クラスター,更には複合構造クラスター等多くの種類のクラスターを、孔質ガラスやゼオライトに担持させたり、表面に軟着させたりする等種々の高密度担持の方法を開発し、非磁性金属の強磁性体化,半導体の相転移抑制等の新事実を発見すると共に、高精度の発光・吸収,時間分解分光,加圧効果等の実験により、多くの物性解明を行なった。特に担持を行なった時の担持物質により、クラスター自身の性質が異なって来る事が解明出来たことは、今後の研究に大きな影響を与えるものと思う。全体として見て個々の研究の成果は勿議だが、班内・班間の共同研究の発展で成果が上っている事は、重点領域研究の目的を達成しつゝあると言える。
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