研究概要 |
本研究では、超高真空中で蒸着によって作動される酸化マグネシウム膜中又は膜上に担持された金属原子クラスター、構造を高分解能電子顕微鏡やナノメーター電子回打法を駆使して解析すると同時に、担持されに原子クラスターの集合体の拘性(磁性、光吸収、ラコン散乱、触媒活性)を高感度分析機器で測定し原子レベルの試料構造とそれが作り出す物性との相互関係を詳しく研究することを目的としている。 本年度は研究の(1)として、金、タニクスランなどの金属クラスターのサイズ減少に伴なう特異構造の発現や、外部からの電子線励起による動射変化を研究した。まず、直径2nmのMgOロッド上に作製された金クラスターを高分解配電子顕微鏡を用いて1/60秒の時間分解機で動的観察した。金のクラスターは以前の飯島らの観察と同様単結晶〓多量双晶粒子と精造変化をおこした。本研究では個々の構造の安定性をその持続時間により評価しMgOと全クラスターの界面構造がその安定性にどのように影響するか研究した。研究の第(2)として、CdSe半導体クラスターをCuF_2膜,MgO膜上に担持し、その構造を電子顕微鏡で解析するとともに光吸収スペクトルを測定した。その結果、光吸収スペクトルはCdSeのボーア半径(エキシトンによる)の4.5nmを境に、異なった量子サイズ動員を反映したものになることを確認した。またMgO膜上にWo_3微結晶を作製し、その構造を解析するとともに、赤外吸収スペクトル及び電子エネルギー損失スペクトルを測定した。特に電子エネルギー損失スペクトルの微細構造は、作製された微結晶か、非晶質、立方晶、単針晶、不定比化合物WO_<2-8>、WO_<2-7>と変化するにつれて変化し、そのスペクトルのみからの各種の結晶相の局所構造の差が識論できることが判明した。
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