• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

高圧下セレンおよびテルル結晶の構造相転移の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04231201
研究機関岩手大学

研究代表者

進藤 浩一  岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (10004384)

キーワードセレン / テルル / 構造相転移 / 高圧 / バンド計算 / 擬ポテンシャル / 全エネルギー / 菱面体構造
研究概要

VIb族のSeとTeは、常温常圧の下では二配位の共有結合をもつ半導体で、三方晶系に属しているが、高圧下では数回の構造相転移をするとともに金属化し、Teでは400GPa以上で超伝導を示すことが報告されている。特に複雑な中間圧力の構造での金属化と対称性の高い超高圧構造への変化は多価半導体が示す非常に興味ある現象であり、系統的な研究が望まれていた。本研究では、超高圧構造のβ-Po構造からBCC構造への相転移のメカニズムを局所密度近似による擬ポテンシャル-全エネルギー計算法に従い、Bachelet-Hamann-Schluter擬ポテンシャルとCeperley-Aldy交換・相関エネルギーを用いた平面波展開による、全エネルギー、詳細なバンド計算、状態密度の計算を行うことにより調べた。特に、β-Po構造に関しては軸比(c/a)について各体積での全エネルギーを最小にした。なお、軸化の決定においては計算精度を高めるためストレスの計算を併用した。1.β-Po構造とBCC構造について得られた状態方程式は、Se,Teとも実験結果と概ね一致している。2.特に、Seに対する軸比の体積依存在と転移点は良く合っており、Se,Teとも約0.75で転移することがバンド計算の結果から分かった。3.β-Po構造の安定化にはフェルミ面近傍のpバンドが重要であることが分かる。BCC構造ではフェルミレベルがN点上にありこれが状態密度にピークを与えるが、β-Po構造ではそれがA点(上)とX点(下)に分かれで安定化する。さらに、最隣接原子間のp軌道の結合と反結合の強さがBCC構造でより大きいことから、A軸上の分散が大きくなりバンド構造エネルギー的には不安定になる。4.さらに高圧になるとこのバンド構造エネルギーの利得より静電エネルギーの利得が支配的になりBCC構造が安定化する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Atsushi NISHIKAWA(西川 篤志): "Structural Phase Transitions and Eguations of State of Se and Te under High Pressure" Japanese Journal of Applied Physics,Supplement. 32-1. 48-50 (1993)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi