研究課題/領域番号 |
04232104
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 義行 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70126142)
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研究分担者 |
赤木 右 東京農工大学, 工学部, 助教授 (80184076)
河村 公隆 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70201449)
植松 光夫 北海道東海大学, 工学部, 助教授 (60203478)
中村 清 放射線医学総合研究所, 室長
平木 敬三 近畿大学, 理工学部, 教授 (70088368)
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キーワード | 陸源物質 / 大気エーロゾル / カルボン酸 / 天然放射性核種 / プルトニウム / 微量元素 / 希土類元素 / 海溝堆積物 |
研究概要 |
陸起源物質の海洋への供給様式とその量が海洋中の物質循環に果たす役割を評価することを目的として、本研究を行っている。そのため大気エーロゾル、海水、粒状物質および堆積物などを採取し、微量元素、モリブテン、セレンなどの酸素酸、ノルマルアルカンその他の陸起源有機物、7Be、^<210>Pb、^<228>Raなどの天然放射性核種、Puと^<137>Csなどの人工放射性核種などの測定と解析を行っている。以下にそれらを簡単に要約すると、1)日本海周辺域、とくにウラジオストックと札幌での大気中の非海塩性硫酸イオンの日変化を対応させることができた。その対応から、非海塩性硫酸塩の粒子がアジア大陸から日本を経て大平洋上へ長距離輸送されていることがわかった。2)太平洋赤道海域のエ・ルゾルの低分子ジカルボン酸を測定し、シュウ酸が主成分であること、又大気を通して輸送中に低分子化が起こることがわかった。3)海水中のモリブデンの化学形を決めるに重要と思われる過酸化水素の濃度分布を明らかにすることができた。4)日本海溝域のセジメント・トラップ実験から、5000m以深で炭酸カルシウムの溶解が極めて著しいことが明らかになった。5)相模湾の堆積物には、Puが ^<137>Csと同程度存在するコア・がみつかった。このことは、Puが陸から運ばれて寄与したものと考えられる。6)伊豆小笠原海溝の堆積物の詳細な化学分析と放射化学分析の結果、その堆積速度は他の深海に比べて1桁以上速く、タービダイトが何度も繰り返して海溝底に運ばれていることがわかった。また約7000年前に堆積過程が陸性から海洋性に変化したことがわかった。重金属の分布も極めて特徴的であった。7)希工類元素と炭酸カルシウムの生成についても実験室で基礎的研究を行った。これらの結果は、学会等での口頭発表のほかに、学術誌に論文として公表する作業が続けられている。
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