研究課題/領域番号 |
04232108
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
半田 暢彦 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (00022559)
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研究分担者 |
大場 忠道 金沢大学, 教養部, 教授 (60013588)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
大田 啓一 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助教授 (80022250)
石渡 良志 東京都立大学, 理学部, 教授 (90087106)
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キーワード | クロロフィルa / カロチノイド / δ ^<13>C / △ ^<14>C / 有機物 / 沈降粒子 / 懸濁粒子 / 海底堆積物 |
研究概要 |
太平洋赤道域、北西部北太平洋海域、相模舟状海盆を中心とする沿岸-海溝系を対象にして、懸濁粒子、沈降粒子および海底堆積物表層試料を採集し、植物色素、 ^<13>C/ ^<12>C比および^<14>C/^<13>C比を測定し、以下の結果を得た。なお、植物色素は高速液体クロマトグラフにより分析した。 1)太平洋赤道域(130°E-80°W、赤道上)の表面から200m深を対象に、懸濁粒子中のクロロフィルおよびカロチノイドなど植物色素の分布を精査した。その結果、海洋表層水のフロロフィルaは0.05-0.40μg/Lの範囲で測定され、西部および東部赤道域において比較的高い値を示した。また、蛍光法によるクロロフィルaと高速液体クロマトグラフによるそれとの間には、最大2.5倍を越える差異があり、蛍光法は高速液体クロマトグラフ法に比して過大評価を与える。このため、人工衛星による海色リモートセンシングのシートルースとしては高速液体クロマトグラフによるのが最も適当であると判断された。この方法は北西部北太平洋海域にまで拡張し、観測研究を行った。 2)沿岸-海溝域における物質輸送を検討した。 東京湾口の海底谷先端部および伊豆小笠原海溝三重点(房総沖)に時系列型セジメントトラップを設置し、沈降粒子を採集した。この粒子の有機物のδ ^<13>Cおよび△ ^<14>Cを比較検討した結果、次の事がわかった。即ち、東京湾口からは下げ潮時に専ら湾内から外洋に向かって微粒子が移動する。この粒子は海溝域で堆積するものの出発物質である。しかし、海溝域では、海溝斜面から再懸濁した粒子もまた、堆積物の主要な供給源である。両者の区別は、沈降粒子有機物のδ ^<13>Cおよび△ ^<14>C値の変動から推定することが出来た。 3)北西部北太平洋海域における有機炭素鉛直フラックスの変動 緯度方向の変動が顕著で、中緯度域は高緯度域の1/10以下であった。
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