研究課題/領域番号 |
04232108
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
半田 暢彦 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (00022559)
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研究分担者 |
徐 垣 九州大学, 理学部, 助教授 (90183847)
高田 秀重 東京農工大学, 農学部, 助手 (70187970)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
大田 啓一 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (80022250)
石渡 良志 東京都立大学, 理学部, 教授 (90087106)
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キーワード | 有機炭素フラックス / 生物性炭酸塩炭素フラックス / 沈降粒子 / 炭素安定同位体比 / 西部北太平洋 / 亜寒帯循環域 / 赤道域 / 亜熱帯循環域 |
研究概要 |
西部北太平洋の0o-48oN,175oEの海域を対象にして、時系列型セヂメントトラップによる係留実験を展開し、有機炭素および生物性炭酸塩炭素の鉛直フラックスを計測し、以下の結果を得た。 1)亜寒帯循環域、亜熱帯循環域および赤道域の1km深における有機炭素フラックスは、それぞれ15-67mgCm-2日-1、2-6mgCm-2日-1および11-22mgCm-2日-1の範囲で測定された。これらの値の年間平均値は、先に北太平洋深層水に拡散移流モデルを適用して算定される溶存酸素消費量から見積もられる有機物分解量にかなり近いものであることを認めた。これらの結果は、海洋炭素循環における深層水の役割を溶存酸素鉛直分布の解析と共に、セヂメントトラップ実験によっても検証したものと言える。 2)生物性炭酸塩炭素フラックス/有機炭素フラックスは1-2で、北太平洋の全域を通して海洋表層から深層水への二酸化炭素の鉛直輸送に対しては、生物性炭酸塩炭素もまた重要な役割をはたしていることを認めた。 3)亜寒帯循環域においては5-6月および9-10月、また赤道域においては、3-4月と10-11月に有機炭素フラックスの極大値が認められ、顕著な季節変動の存在を認めた。特に、赤道域における有機炭素鉛直フラックスの季節変動は、新しい事実であり、現在その理由に関して、日射量、貿易風、人工衛星データからのクロロフィルa現存量等の季節変動に関する結果と比較検討中である。 4)沈降粒子有機物の炭素安定および放射性同位体比を測定し、これらの有機物が形成された時の植物プランクトンの生理状態の推定法を確立した。
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