研究課題/領域番号 |
04233104
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
舞原 俊憲 京都大学, 理学部, 助教授 (90025445)
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研究分担者 |
尾中 敬 東京大学, 理学部, 助手 (30143358)
和田 節子 電気通信大学, 自然科学系, 助手 (30017404)
長田 哲也 京都大学, 理学部, 助手 (80208016)
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キーワード | 星間塵 / 星間物質 / 赤外線分光器 / 赤外線観測 / 星間固体 |
研究概要 |
星間の固体微粒子(星間ダスト)の生成の有力な候補であるAGB星(晩期型超巨星のある時期)やそのあとのフエーズである惑星状星雲などにおいて、固体ダストの組成および生成・進化を系統的に調べることを目的として、広帯域の赤外線分光器を開発・製作中である。今年度は光学系の製作とその調整を進めると同時に、現在最も高い感度をもつ大型フォーマットのアレイ型赤外線検出器を導入し、その検出回路の設計製作を行った。広帯域同時分光の特徴をもつ本研究の分光観測装置には溝(groove)の深さがこれまでの製造方法では製作不可能な特殊な回折格子を必要とするため、超精密加工機による数値制御方式の機械的切削方法で製造し試験を行った。それを干渉法によるテストで性能を調べた結果、十分高い精度が得られており、本分光器に必要な仕様を完全に満していることがわかった、従って、上記のアレイ型赤外線分光器と組合せることにより、所定の高性能赤外線分光器が実現できる見通しを得ることができた。 また、宇宙の環境条件をできるだけ実際に近くシミュレートしながら、基本的な元素組成をもった固体の結合状態を実験室内で実現するという実験を行った。特に硅素質ダストおよびマグネシウム質ダストの吸収スペクトルを色々な条件を変えながら測定し、波長18μm領域に観測される星間吸収物質を特定することに成果が得られた。すなわち、従来18μmの吸収をシリケート鉱物で説明することが、他の波長域の吸収スペクトルとの整合性がよくないので困難だったが、本研究の実験で生成されたマグネシウム質のダストでは非常に自然な説明が可能であることがわかった。
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