研究概要 |
本研究は、新しい赤外線分光観測装置の開発にもとづく天体赤外線観測の研究グループと,宇宙における固体粒子の生成シミュレーション実験にもとづく星間塵物質の構造・組成を研究するグループの協力のもとに進めてきた。 前者のグループは,本年度は、同時に非常に広い波長域を比較的高波長分解能で測定することのできる「広帯域赤外線分光計」(LEWISと略称)の開発を前年度に続いて行い,冷凍機システムに,分光器光学系,検出器システム等を組込んだ最終的な調整を行うところまでこぎつけた。ただし予定していた実際の試験観測、本観測は、次年度早期に実施する計画である。 実験室での星間塵物質の生成と、その分光学的特性を明らかにする研究は今年度は,炭素質星間塵のもつ紫外域の吸収ピークの波長シフトと高温変成との関連を明らかにしたこと,18ミクロン領域の中の広い吸収がマグネシウム系酸化物ダストに帰因することを実験的に示したことなど、星間塵組成を解明する上で重要な結果を得た。
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