研究課題/領域番号 |
04233208
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 哲夫 東京大学, 理学部, 助教授 (50134630)
|
研究分担者 |
半田 利弘 東京大学, 理学部, 助手 (40202270)
林 正彦 東京大学, 理学部, 助手 (10183914)
祖父江 義明 東京大学, 理学部, 教授 (10022667)
|
キーワード | 星間物質 / 電波天文学 / 星間分子 / ミリ波 / サブミリ波 / 銀河系 |
研究概要 |
平成4年度には、(1)230GHzサーベイの推進、(2)可搬型サブミリ波サーベイ望遠鏡システムの完成とそれによる観測、(3)観測データに基づく星間物質の構造・物理および銀河の進化のモデル解析、の三点を研究の柱として研究を進めた。 (1)230GHzサーベイの推進 230GHzサーベイは昨年度に引続き銀河面サーベイを進め、第1象限の銀河面の幅1°の範囲のサーベイの約80%を完了させた。また、銀河系中心領域の高速ガス、オリオン座領域の巨大分子雲、おうし座領域の暗黒星雲などの著名な領域や、銀河系の渦状椀の断面にあたる銀経30°付近(W43領域)と銀経90°付近(はくちょう座X領域)の詳細観測を行った。2月までの総観測点数は約5000点にのぼる。 (2)可搬型サブミリ波サーベイ望遠鏡システムの完成とそれによる観測 昨年度に製作し受信機の実験に使用したオフセットパラボラ光学系に新たに駆動装置を付加して、観測に適した場所に移動できる可搬型60cmサブミリ波サーベイ望遠鏡(2号機)として完成させ、それを長野県野辺山の国立天文台野辺山宇宙電波観測所構内に設置した。現在これによるサブミリ波観測の準備を進めており、3月に実施できる見通しである。 (3)観測データに基づく星間物質の構造・物理および銀河の進化のモデル解析 計算機ワークステーションの整備およびデータ解析ソフトウェアの製作により、データ解析の能力を飛躍的に向上させた(約5倍)。これを使用しながら、230GHzサーベイデータを出版するための整理を進めた。スミソニアン天文台のグループと協力して115GHzCOJ=1-0輝線のデータとの比較を進め、銀河系スケールでの大局的な温度・密度の分布を明らかにして発表した。
|