研究課題/領域番号 |
04233218
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
奥田 治之 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (50025293)
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研究分担者 |
中川 貴雄 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (20202210)
広本 宣久 通信総合研究所, 電波応用部, 主任研究官
芝井 広 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (70154234)
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助教授 (40135299)
矢島 信之 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (30200489)
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キーワード | 遠赤外線分光 / 星間物質 / [CII]スペクトル線 / サーベイ観測 / ファブリーペロー分光器 / 二次元検出器 / 銀河面 / 大マゼラン雲 |
研究概要 |
遠赤外線領域は、天文学に残された最後のフロンティアのひとつである。本研究の目的は、この未知なる遠赤線領域において、最も重要な遠赤外[CII]スペクトル線(波長158μm)を用いて、広域サーベイ観測を効率よく行い、これにより星間ガスの新しい姿を大局的に明らかにすることである。 我々は、この目的のために、[CII]サーベイ専用の気球搭載観測機BICE(Balloon-bome Infrared Carbon Explorer)を開発してきた。平成3年度には、米国テキサス州から、このBICEを用いた本観測を行い、銀経10度〜75度の銀河面、Cyg-X領域、ρ-Oph暗黒星雲など、広範囲でかつ多種多様にわたる天体を観測することができた。 この成果を受け、平成4年には、オーストラリア・アリススプリングス気球基地から気球飛翔を行い、南天に天体の観測を目指した。実験の途中では、気球自身の打ち上げ事故にも何回かみまわれ観測の実行が危ぶまれたが、最後には観測に成功し、良質のデータを大量に取得することができた。観測範囲は、南天銀河面の主要部分ほとんど(銀経250度〜355度)と、大マゼラン雲全域を含む。 これらの観測により、内部銀河系の完全[CII]マップが得られるた。これは、星間物理のあらゆる面にとおて、貴重なデータベースである。 それと同時に、銀河系と系外銀河(大マゼラン雲)との比較が可能になり、[CII]線強度の全エネルギーや全分子量に対する相対強度が、両銀河では、全く異なることが明らかになった。これは、重元素の存在比が、両銀河では異なるためと思われる。 また、観測効率をより高めるために、二次元に遠赤外検出器を用いた「イメージング・ファブリ・ペロー分光器」を開発にも着手した。平成4年度には、そのためのいくつかの基磯実験を行った。
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