研究課題
電離炭素(C^+)の放射する遠赤外〔C II〕スペクトル線は、中性星間ガスの最大の冷却材であり、星間ガスのエネルギー収支の鍵を握るスペクトル線である。このスペクトル線の広域サーベイ観測を行うために、本計画研究では、新たに専用の観測機BICEを開発した。さらに、この観測機を用いた実験観測を、平成3、4年度に行い、様々な領域の観測に成功してきた。上記の成果を受け、1994年9月3日に、三陸大気球観測所から、観測器BICEを大型気球により放球し、以下の2つの領域の観測を行った。(1) 北天銀河面の主要部分(25°【less than or similar】ι【less than or(2) 最も代表的な大質量星生成領域であるオリオン領域上記(1)の観測により、平成3年度から行ってきた一連の銀河面サーベイ観測が完成した。また(2)の観測は、オリオンそのものが興味深いものであると同時に、今迄おこなってきた銀河面観測データの解釈の基礎データともなる。この結果は、銀河系の構造・エネルギー収支・化学組成など各種の研究にとって、極めて重要なデータベースとなるはずである。今年度は、今迄のまとめとして、これらの〔CII〕観測結果を、他波長観測の結果などと比較し、銀河系星間雲の新しい姿を探った。
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