研究課題/領域番号 |
04234105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 卓史 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (80155837)
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研究分担者 |
佐々木 節 京都大学, 理学部, 助教授 (70162386)
坪野 公夫 東京大学, 理学部, 助教授 (10125271)
植田 憲一 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (10103938)
河島 信樹 宇宙科学研究所, 教授 (60013702)
藤本 眞克 国立天文台, 助教授 (90107475)
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キーワード | 重力波 / 一般相対性理論 / 干渉計 / レーザー |
研究概要 |
連星中性子星の合体や超新星爆発時に放出される重力波は、振幅h〜10^<-21>に達し、年間2〜3イペントはあると考えられている。基線長〜4Kmの大型レーザー干渉計を用いれば、原理的には、この感度は達成可能であるが、コストは1台およそ100億円と見られ、現在世界中にあるプロトタイプの感度を3ケタ以上あげる必要がある。このようなスケールアップが現実的に可能かどうかは明かではなく、技術的・物理的問題の多くは未解決なのが現状である。本重点領域では(A1)20mFPプロトタイプの開発 (A2)基線長100mのDLプロトタイプ (B)高出力高安定レーザーの開発 (C)干渉計要素技術の開発 (D)理論シミュレーションによる重力波源の研究の5つの計画研究を柱とする。今年度の研究成果は以下の通りである。(A1)20mファブリー・ペロー干渉計用真空容器と実験室を完成させ、真空試験を終了し、10-8Torr台の真空を実現した。これにより、計画研究B,Cと協力して本格的な干渉計の設置のための準備を完了した。(A2)既存の10mアンテナの感度向上と安定な動作の実現に努力し、散乱光の影響を大幅に除去することにより、低周波領域とバースト信号に対する雑音特性に顕著な改良が得られたとともに、長時間(159時間)を行った.100m干渉計への拡張作業が、並行して行われ、建物.真空装置.ミラーなど本格的な実験への準備が完了した.(B)モノリシック型のリング共振器固定レーザー(MISER)の周波数安定化実験では.1KHz領域でショット雑音の1.5倍の355μHz1(Hz)1/2という世界最高水準の安定度を達成し、A1A2に供給できるようになった.(C)強力な永久磁石の渦電流によるバッシプな3重振子を用いた防振系を作り予定通り高性能(1KHz付近で-240dB)を得た。(D)連星中性子星の合体について、中性子星のスピンや衝突速度も入れた三次元数値シミュレーションを実行し、重力波の波形から起こっているダイナミックスがわかることを示した.
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