本年度は超並列オペレーティングシステムの最下層である、Partition Operating System(POS)の基本概念設計を行った。 POSは、超並列計算機の利用者が自由なモデルにしたがってプログラムを開発・実行するために必要とされる必要最小限のメカニズムを提供し、その基本的な機能には、(1)初期化、(2)プログラムの起動、(3)共有資源の管理、(4)占有資源の割り当て、(5)各機能要素の障害検出がある。 これらの機能を実現するため、我々はPOSをMeta Micro Kernel(MMK)とCluster Manager(CLM)に分割する設計を提案した。MMKでは、プロセッサ単位で必要な機能、および共有資源へのアクセスなどのCLMの介入を必要とする機能に関する例外処理機能などを提供する。具体的には、(1)初期化、(2)プログラムの起動、(3)例外処理時のCLMに対するアップコール、(4)プロセッサの障害検出の各機能が提供される。 CLMは、プロセッサのグループごとに用意され、他のグループとの協調動作によって全体の資源の管理を行なうための機能を提供する。CLMが提供する機能は、(1)初期化、(2)障害管理およびシステム構成の更新管理、(3)パーティション管理、(4)メモリ管理、(5)プロテクション管理、(6)パーティション間通信、(7)I/O管理となっている。
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