研究課題/領域番号 |
04237105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神谷 瞭 東京大学, 医学部(医), 教授 (50014072)
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研究分担者 |
森竹 浩三 島根医科大学, 医学部, 教授 (90093327)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (30163801)
辻 隆之 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (00075764)
谷下 一夫 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (10101776)
赤松 映明 京都大学, 工学部, 教授 (40025896)
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キーワード | バイオメカニクス / 内皮細胞 / ずり応力 / 冠動脈スロッシュ流 / 大動脈弓 / 超微細管内流路 / 脳 / 心筋内冠動脈血流 |
研究概要 |
本研究は循環系のバイオメカニクスに関する基礎的重要問題と臨床的応用課題を重点的に追及することを目的したもので、初年度である本年度は以下の成果が得られた。血管内皮のバイオメカニクスに関し、毛細血管壁の物質透過性が血流速度に依存して上昇すること、また、大動脈弓壁内の酸素濃度が内壁側で最小となることが内皮細胞の臨界輪送抵抗値から判明した。大動脈血流湾曲部の壁ずり応力に関しては、モデル流路内の流速計測と数値計算結果により、大動脈弓内における間欠流の静止時間が2次流のパターンや壁面せん断応力に影響を与えることが明らかになった。冠・脳微小循環系のバイオメカニクスについては、心筋内冠動脈血流として中隔枝血流を計測した結果、その血流は拡張期優位であったが、収縮期逆流が認められた。この逆流は拡張期に心内膜側心筋へ流入した血流が心筋収縮により送り返されたもので冠動脈スロッシュ現象と名付け、その量は潅流圧低下や収縮性増大により増加することが判明した。また脳に関しては、脳死患者のto-and-froパターンを解析した結果、to-and-froの段階では流量は無負荷の時と比べ約90%の減少を示し、to-and-froは脳血流が有効レベルに達していない状態を反映すると推測された。微小人工流路内の血液流動特性に関しては、ヒト新鮮血の細管粘度は回転粘度より常に低く、両粘度の差はHtが増加し、また温度が低下すれば、より顕著になることが明らかになった。さらに、各種超微細孔を用いた超微細管粘度は関係依存性を示す結果が得られた。遠心血液ポンプに関しては、この種のポンプの弱点を克服するため磁気浮上式ポンプの開発を行なった。永久磁石の使用により消費電力の軽減ができ、また羽根形状およびディスク隔間の検討により高効率化が可能となった。
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