研究課題/領域番号 |
04237227
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
菅原 基晃 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60010914)
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研究分担者 |
近藤 順義 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90178434)
石原 和明 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30119888)
中野 清治 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10138919)
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キーワード | 局所仕事 / 収縮性 / 心機能 / スターリングの法則 / 応力 / 壁厚 |
研究概要 |
イヌを用いて実験を行った。カテーテル先端圧力計により左室圧を、超音波クリスタルにより左室の着目した局所の壁厚(H)と心腔短軸内径を測定した。平均壁応力σを計算し、σ-1n(1/H)関係を一心周期にわたって求めた(σ-1n(1/H)ループ)。前負荷あるいは後負荷を変化させてσ-1n(1/H)ループを変化させた。薬物あるいは虚血により収縮性を変えて、同様の実験を繰り返した。得られたσ-1n(1/H)ループから、次の三つの指標を求め、その性質を明らかにした。 (1)局所仕事。σ-1n(1/H)ループに囲まれた面積は、心筋の単位体積当たりの局所仕事に等しい。この値の妥当性は、一様に仕事をしている左室の全心筋体積と局所仕事の積が、圧一容積曲線から求めた左室の全仕事量に等しいことによって確認された。 (2)局所心筋収縮性。σ-1n(1/H)ループが負荷により変化する際に、収縮末期σ-1n(1/H)関係を表す点は指数曲線上を移動する。この指数曲線の指数は、心臓の大きさや負荷の変化には依存せず、収縮性の増減のみに従って増減する規格化された収縮性の指標である。我々は、この指標をスティッフネス定数と名付けた。 (3)局所心筋機能曲線。拡張末期1n(1/H)を局所の前負荷とみなすと局所仕事と拡張末期1n(1/H)の関係は、局所のスターリングの法則を表す局所心筋機能曲線とみなすことができる。この関係は極めて良好な直線関係で、その傾きは収縮性の増減によって増減するので、これも収縮性の指標となり得る。 以上のごとく、我々のσ-1n(1/H)関係に基づく方法は、三つの指標を与えるので、これらを用いて、病的心臓の局所心筋機能を総合的に解析することができる。
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