研究課題/領域番号 |
04238105
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 浩一郎 京都大学, 工学部, 教授 (80025890)
|
研究分担者 |
宮野 善盛 岡山理科大学, 工学部, 助教授 (80109743)
足達 義則 中部大学, 経営情報学部, 助教授 (00115669)
猪股 宏 東北大学, 工学部, 助教授 (10168479)
新田 友茂 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (00029480)
梶本 興亜 京都大学, 理学部, 教授 (30029483)
|
キーワード | 超臨界流体 / 溶液構造 / 二酸化炭素 / 分子シミュレーション / 分子間ポテンシャル / クラスター |
研究概要 |
本年度は従来の公募班メンバーに加えて、交付申請時に藤原一朗、宮野善盛両氏に臨時参加を依頼し、計7名で共同ならびに個別研究を行った。主要な成果を挙げると、(1)中西は4年度におけるCO_2-CO_2ポテンシャルに引き続きCO_2-芳香族炭化水素系のポテンシャルをMO計算にもとづいて決定し、これらを用いてCO_2中に1個だけ溶解したベンゼン及びナフタレンの周囲のCO_2溶媒構造をMC計算により検討した。ナフタレンの場合臨界点の真上では密度を変えてもCO_2の配位数が著しく減少することはなく、クラスターの存在が確証され、その安定性の起源は引力相互作用であることが示唆されている。(2)足達と宮野はそれぞれベンゼン及び酸素のポテンシャル関数について検討した。ベンゼンの超臨界におけるPVT関係を再現するには/TIPS/OPLS型のポテンシャルに経験的修正を加えたものが最適であること、酸素については三体項を導入したポテンシャルを作成したが、それを用いると実験値の再現に若干改善はみられるものの、二体近似との差は小さいことを見い出した。 (3)藤原はLJモデル二成分系の超臨界領域における熱力学過剰関数を広範囲に計算した。分散力モデル(LB則に従う)についてすら、臨界点近傍では過剰関数の異常が生じていることが確かめられた。(4)猪股は分光学的実験の他に分子動力学計算を行って、LJモデルの超臨界状態におけるクラスターの分解速度を評価した。(5)新田はやはり分光学的実験の他に超臨界流体に接する界面相、特にスリット状細孔中のCO_2に関するモンテカルロ計算を行ってCO_2が細孔内に濃縮されることを見い出した。(6)梶本はラマン・スペクトルの測定から溶媒シフトの振動モード依存性を見い出し超臨界溶媒分子と溶質との相互作用について検討した。
|