研究分担者 |
神藤 欣一 東京工大, 大学院総合理工学研究科, 助教授 (10114894)
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電顕センター, 助教授 (10024366)
馬越 佑吉 大阪大学, 工学部, 教授 (00029216)
及川 洪 東北大学, 工学部, 教授 (30005243)
竹内 伸 東京大学, 物性研究所・所長, 教授 (60013512)
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研究概要 |
本計画計究では,(1)金属間化合物の格子欠陥計算への電子論の適用と(2)主としてTi-Al系(TiAl,Ti_3Al),((Co,Ni)-Si系(CoSi_2,(Co,Ni)Si_2),Ti-Si系(TiSi_2)化合物の変形と破壊に関する実験的研究を遂行した。以下に主たる成果を述べる。 (1)半経験的電子論としてのTBリカージョン法が,Ni-Ai系(Ni_3Al,NiAl)化合物中の面欠陥エネルギーや平衡状態図の計算においても良好な結果を与えることを示した。B2構造のNiAlの構造安定性はEf近傍の状態密度の“落ち込み"に起因していることが明らかになった。 (2)TiAlの引張延性は,試験雰囲気に大きく依存し,大気中では環境脆化により延性が低減されていること,TiAlの常温延性の改善には,いかに環境脆化を抑制するかということも非常に重要な因子の一つであることが明らかになった。 (3)TiAlの高温における異常強化現象は,単結晶においては明瞭に認められるが,多結晶ならびに二相層状組織を有する場合は,必ずしも顕著でない。このような異常強化現象に及ぼす合金元素,結晶方位,組織の寄与について研究し,その強化機構を明らかにしつつある。 (4)TiAlのクリープ挙動の全体像についてはまだ判明していないが,本研究によって,TiAl相のクリープ挙動はそれぞれ特有の特徴を示す3領域に分けられることが明らかとなった。CoSi_2,(Co,Ni)Si_2の温度依存塑性変形の熱活性化解析を行った結果,いずれの化合物についても全活性化エンタルピー△H_0の値は約3eV,活性分体積の値は高応力下で10b^3(b=1/2<110>)という小さな値であり,変形がパイエルス機構で支配されていることが明らかになった。
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