研究分担者 |
藤田 広志 近畿大学, 理工学部, 教授 (30028930)
柴田 俊夫 大阪大学, 工学部, 教授 (90001205)
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
鈴木 朝夫 北海道大学, 工学部, 教授 (80016782)
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
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研究概要 |
本研究は、平成4年度に発足した重点領域研究「金属間化合物」(領域番号225)の第3年度として実施した。本年度の研究によって、TiAl系、Ni-Al系金属間化合物の変形機構と組織の微視的理解に関して注目すべき成果が得られた。特に、現在最も注目されている構造用金属間化合物であるTiAl、中でもTiAl/Ti_3Alの2相素材の力学的特性が明らかになり、TiAlとTi_3Al両相間の塑性不適合を解消すれば、この2相素材の新しい軽量高温構造材料として実用化し得ることが判明した。このTiAl/Ti_3Al2相材に関する研究成果は国際的に高く評価されており、本重点領域研究の大きな成果の1つである。 さらに、TiAlの耐高温酸化性を向上させるため、セラミック被膜などの保護被膜でコーティグする方法、第3元素の添加によって保護性に優れたAl_2O_3生成させる方法、予備処理によって予め表面に保護性に優れたAl_2O_3スケールを生成させる方法について平行して研究を行った結果、Cr_2O_3-CrやSiO_2パックによる予備酸化処理によってTiAlの耐酸化性が大きく向上することを見出している。 Mo,Nb等高融点金属のアルミナイド、シリサイドの力学的物性の解明も大いに進展したが、これらの化合物の材料化をはかめために、常温延性あるいは靭性の付与と高温強度の増強という課題を、結晶構造の相安定性、結晶構造制御の観点から、理論的ならびに実験的立場に立って引き続き合理的に検討することが必要である。 金属組織の立場からは、室温付近における延性・靭性の改善と高温での高強度化を目指して、金属間化合物の組織の微細化、多相化、複合化を試み、高温構造材料として注目されているNi_3Al,NiAl,TiAl,Ti_3Al,Nb_3Al基合金等を使って組織の微細化、多相化、複合化がこれら金属間化合物の力学的物性に及ぼす影響を明らかにした。
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