研究課題/領域番号 |
04240101
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
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研究分担者 |
藤田 敏三 広島大学, 理学部, 教授 (20004369)
北沢 宏一 東京大学, 工学部, 教授 (90011189)
佐藤 正俊 名古屋大学, 理学部, 教授 (40092225)
坂東 尚周 京都大学, 化学研究所, 教授 (70027027)
福山 秀敏 東京大学, 理学部, 教授 (10004441)
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キーワード | 高温超伝導 / ニュースレター / ミニ研究会 / 単結晶 / 高圧合成法 / 異常金属相 / スピンギャップ / 電界効果 |
研究概要 |
本総括班は、重点領域研究「高温超伝導の科学」の各班の活発な研究活動を促すとともに、プロジェクト研究としての目標達成のために次のような活動を行なった。重要テーマに焦点を絞った7回のミニ研究会を開き、1月には本領域研究全体の研究成果発表会を公開で開催し計103件の報告があった。また、情報交換を目的としたニュースレターを年3回発行した。 本年度は各種測定に適した良質単結晶の作成を重点項目として取り上げ、それを用いた電子物性、超伝導特性の研究、新しい超伝導体である無限層酸化物の作成、高温超伝導薄膜の良質化、数値シミュレーションなどによる高温超伝導発現機構の解明などを重点的に進めた。主な成果は以下のとおりである。(1)モット転移近傍の異常金属相における電子状態の特徴が解析的及び数値的研究によって数多く明らかにされた。(2)高圧合成法により、Sr_<n+1>Cu_nO_<2n+1+>δ(最高Tc=100K)という一群の新超伝導化合物を、MBE法により人工格子[(BaCuO_2)_3/(CaCuO_2)_1]×n(Tc=80K)超伝導体を合成した。(3)常伝導層の銅酸化物が新型の反強磁性モット絶縁体近傍に位置する"異常金属相"であり、その相の形成とスピンギャップの存在の関連が実験的に明らかにされた。超伝導異方的ギャップの存在を示すデータが数多く得られた。(4)高温超伝導の特性を支配する2次元的な電子挙動に関連した実験事実とその理論的解明の努力がなされ、2〜3次元のクロスオーバーと層間の結合との関係それに対する酸素濃度などの物質パラメータとの関連に考察が進み、特性向上の指針が得られた。(5)YBCO薄膜の電界効果、SNS近接効果、SISトンネル効果の研究で、材料物性、電子輸送、ミクロな界面の評価について進展がみられた。準粒子注入効果、ジョセフソントンネル接合による電子対の対称性の研究、液体窒素温度以上でのYBCO接合からのジョセフソン輻射の直接検出などについての成果があった。
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