研究課題/領域番号 |
04240103
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 秀敏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10004441)
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研究分担者 |
黒田 義浩 名古屋大学, 理学部, 教授 (60013504)
前川 禎通 名古屋大学, 工学部, 教授 (60005973)
永長 直人 東京大学, 工学部, 助教授 (60164406)
小谷 章雄 東京大学, 物性研究所, 教授 (90029504)
今田 正俊 東京大学, 物性研究所, 助教授 (70143542)
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キーワード | d-pモデル / ハバードモデル / N^<-1>展開 / t-Jモデル / フェルミ液体 / 超伝導磁束 / RVB / モット絶縁体 |
研究概要 |
1. 銅酸化物の高エネルギー分光の研究の発展により、頂点酸素の役割が明らかになった。更に、軽い遷移金属酸化物についての解析により、従来の理解に比べて非常に大きな共有結合性と電子相関を持つ物質群であることが明らかになった。 2. 計算機によるモデルの数値計算 a. t-Jモデルの有限クラスターの厳密対角化によって1粒子スペクトルの波数依存性とドーピングに伴うフェルミ面の変化の様子が明らかにされた。又、d波的超伝導の存在が明らかにされた。 b. ハバード模型に於て粒子数を変化させモット絶縁体に近づいたときの臨界的な様相が調べられ、有効質量が発散することが示された。これは、銅酸化物超伝導体で観測されている事実とは異なり、モデルと現実系との対応について重要な制限を加えることになる。 3. 場の理論に基づいた解析的研究 a. t-Jモデルに対するRVB理論による研究が更に発展した。スピン励起の解析によりドーピング量について2つの定性的にも異なる状態が存在することが確認され、理論的にも大局的な説明がなされた。更に輸送係数とスピン励起の相関も明らかになった。 b. d-pモデルの1/N-展開によりギャップ内状態の性質の詳細が更に明らかにされた。 c. 超伝導状態に於けるNMR緩和率及び振動数に依存した電気伝導度がフェルミ流体論を基礎に計算され、d-波が現実的であると結論された。 d. 電磁的特性の周波数依存性に現われる層状構造の効果が明らかになった。 e. 1次元の長距離t-Jモデルについて発見された厳密解の内容が詳細に究明された。
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