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1993 年度 実績報告書

高温超伝導の科学:高温超伝導体の合成プロセスと新物質探索

研究課題

研究課題/領域番号 04240108
研究機関京都大学

研究代表者

坂東 尚周  京都大学, 化学研究所, 教授 (70027027)

研究分担者 高野 幹夫  京都大学, 化学研究所, 教授 (70068138)
庄野 安彦  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80013481)
兒嶋 弘直  山梨大学, 工学部, 教授 (90020346)
川合 知二  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20092546)
内野倉 國光  東京大学, 工学部, 教授 (20015564)
キーワード高温超伝導体 / 新物質探索 / 無限層構造 / 人工格子 / 高圧合成 / 単結晶 / 電極酸化 / lユニットセル薄膜
研究概要

本研究の目的は、(1)新物質、新組成の探索、(2)人工格子による新物質の設計と超伝導の検討、(3)合成プロセスと超伝導特性の研究を行うことである。(1)については高圧合成により新化合物Sr_<n+1>Cu_nO_<2n+1+δ>(n=1,2,3,4)を発見し、n=1のT_cは70K、n=2のT_cは100Kであった。これは頂点酸素が部分的に欠けている銅酸化物で、La系と比較するとT_cは高く、頂点酸素の役割について新しい問題を提起している。高圧合成により炭酸基を含むT_c=92Kの(Cu_<0.3>Sr_<0.7>)_3Cu_2O_<4+δ>(CO_3)_<0.95>の超伝導体を得た。(2)人工格子[(BaCuO_2)_3/(CaCuO_2)_1]×nがT_c=80Kの超伝導になることを見出した。無限層構造の人工格子で超伝導になったのはこれが初めてである。lユニットセルYBCOは超伝導を示さないが、その上に積層すると超伝導になる絶縁体として、BaO、SrO、SrTiO_3、CaTiO_3、PbTiO_3などを見出した。超伝導は、lユニットセルYBCOの上に直接2価のアルカリ土類金属やPbが積層したことで発現する。その酸化物とYBCOとの格子のミスマッチが5%以下であることが超伝導になる必要条件であることがわかった。またYBCOのnユニットセルとコスタリッツ・サウレス転移温度T_<KT>の関係を求め、理論通りのT_<KT>の変化を示した。無限層構造薄膜にキャリアドープを試みたが、超伝導化にはまだ成功していない。(3)分解し易い水銀系酸化物超伝導体(1212、1223相)は高圧処理により容易に合成でき、T_c=110Kであった。Bi2212系では過剰酸素から供給されるホールの全てがキャリアとはならず、Biが混合原子価状態になり自動的にホール量の調整を行っている。超伝導が現われない特異な組成として知られているLa_<1.875>Ba_<0.125>CuO_4は、過剰酸素をほとんど取り込まないが、電極酸化すると酸素は4.04となり、超伝導を示すようになる。単結晶La_<2-x>M_<x-n>CuO_4(M=Ba,Sr,Ca)のうち、Srは0.3まで固溶したものが育成できるが、Caは0.1、Baは0.1までしか固溶しない。

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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